「身元調査お断わり」リーフレット
「身元調査お断わり」リーフレット

一人(いちにん)の尊厳を守る

身元調査は、結婚や就職に際してその人の出身地や学歴、家族の職業や社会的な地位、経済状態などを聞きまわるもので、その内容によって、相手を選ぼうとするものです。これによってたとえば結婚が破談になり、二人の仲を引き裂き、ひとりの人を死に追いやってしまうことさえあります。

興信所や探偵社がこうした調査を請けおっていますが、相手のことを秘密裏に調べたいという要求があり、それを依頼する人がいるらこそ成り立っているのです。

「相手のことを知ることのどこが悪いのか」という意見もありますが、本人の知らないところで勝手に調査されることをこころよく思う人はありません。

あるアンケートで、結婚相手を決めるときに、家柄とか血筋を問題にする風習について、どのように思うか尋ねたところ、「当然のことと思う」が12.3%、「おかしいと思うが、自分だけ反対しても仕方がないと思う」が32.2%と、半数ちかくの人たちが、現在も結婚を家柄や血筋と結びつけて考えていることを示しています。その人自身よりも、家柄を大切にする考え方がそこにあるのです。

こうした考え方が、身元調査を求め、さまざまな差別を許し、結果として人権を侵害することにつながっています。

釈尊は、人間は一人ひとりが、一人ひとりのままで尊い存在であると教えてくださっています。身元調査はこうした仏の教えに背く行為であるといわねばなりません。これから結婚しようとする二人にとって大切なことは、お互いにかけがえのない相手として出会い、尊重し合い、生活していくことではないでしょうか。

身元調査がどれほど人権を侵害し、人間の尊厳を踏みにじることなのか、そのことに目覚めていくことが願われているのです。人間の尊厳を守るためには、身元調査をしないこと、させないこと、協力しないこと、つまり身元調査を決してゆるさないという姿勢が求められています。

(真宗大谷派解放運動推進本部)

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