一人(いちにん)の尊厳を守る

「あなたは、結婚相手を決めるときに、家柄とか血筋を問題にすることを、どう思いますか?」。こう問いかけられたとき、私たちは、どのように返答するでしょうか。

「当然のこと」、あるいは「おかしいとは思うが、自分だけ反対しても仕方がない」と、家柄や血筋というようなものを、あたかも人を計る基準にしたり、やむをえないと受け入れ、そのうえで結婚ということを考えていないでしょうか。

これから結婚しようとする二人にとって大切なことは、お互いにかけがえのない存在として出会い、尊重し合い、生活していくことです。

「身元調査お断り」リーフレット
「身元調査お断り」リーフレット

人を家柄や血筋で見ようとする考え方は、相手のことを秘密裏に調べようとする身元調査を求め、さまざまな差別を許し、結果として人権を侵害することにつながっています。

身元調査は、それを依頼する人がいるから成り立っているのです。「相手のことを知ることのどこが悪いのか」という意見もありますが、本人の知らないところで勝手に調査されることをこころよく思う人はありません。

身元調査とは、結婚や就職に際してその人の出身地や学歴、家族の職業や社会的な地位、経済状態、病歴などを聞きまわることです。その内容によって、相手を評価し選ぼうとするものですから、これによって、たとえば結婚が破談になり、二人の仲を引き裂き、人を死に追いやってしまうことさえあります。

釈尊は、人間は一人ひとりが、そのひと一人のままで尊い存在であると教えてくださっています。身元調査はこうした仏の教えに背く行為です。

身元調査が人権を侵害し、人間の尊厳を踏みにじる行為であることに目覚めることが願われているのです。人間の尊厳を守るために、身元調査をしない、させない、協力しない、つまり身元調査を決してゆるさないという姿勢が求められています。

(真宗大谷派解放運動推進本部)

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