DSC01852サイズ変更8月10日、第2回しんらん交流館公開講演会が開催されました。講師に写真家・作家の國森康弘さんをお迎えし、

「いのちをつなぐ~看取りの現場に想う」という講題でお話ししていただきました。

講演では、様々な家族の看取りの様子をスライドに大きく映し、一枚一枚に國森さんが静かな口調でその時に交わした家族や亡くなっていかれた方の言葉を添えていらっしゃいました。

当館1階ギャラリーで開催中の「いのちをつなぐ~あたたかな看取りの場」展で展示されている写真の他に、紛争地域の人々の写真や、東日本大震災被災地の写真も映しだされました。國森さんの視た現場の瞬間がレンズを通して会場にそのままに伝わり、聴講者の涙をさそう場面が幾度もありました。また、死を間近にしながらも、日常にあるほほえましい出来事が紹介されると、笑いの声もあがりました。

紛争地域や東日本大震災被災地の様子は、一見、私たちの日々の暮らしとは遠くはなれた「非日常」のように感じられることがあります。しかし、それらは全てどこかで、私たちの「日常」につながっていると國森さんは仰っていました。大切なのは、他者への想像力であると。

私たちは、普段生きていることを当たり前に感じていますが、考えてみれば、父と母、祖父と祖母、曽祖父と曾祖母…数えてみればきりのない、人と人との偶然の出あい、いのちのつながりがあってはじめて存在しています。

講演をとおして、一つひとつのいのちが、互いに支え合っていることを教えてくださっているように感じました。

最後に、國森さんから「看取りの現場は悲しいけれど、どこかあたたかい。」「家族を大切にしてください。」というメッセージが送られました。

あたたかな看取りの現場を捉えた写真展「いのちをつなぐ~あたたかな看取りの場」は、9月30日(水)まで開催中、入場は無料です。國森さんの写真絵本も会場内で販売しておりますのでお気軽にお立ち寄りください。

 

■次回のご案内

9月8日(火)18時30分より、講師に太田宣承さんをお迎えして開催いたします。会場はしんらん交流館2階大谷ホール、講題は「一人十色の世界観~高齢者福祉の現場からみた生死観~」です。お誘い合わせのうえ、ぜひお越しください。