仙台のメンバーから送られてきたサイン
仙台のメンバーから送られてきたサイン

九州、熊本の地で各宗派の僧侶と牧師が集まって、地域や宗教を超え、さまざまな方の日ごろの悩みや相談を聞く「くまもと カフェ デ モンク」が開かれています。

会場は熊本市内の日本福音ルーテル大江教会(熊本市中央区大江4-20-23)。およそ2か月に1回ほどのペースで開催されているということで、取材でお邪魔した8月22日は第4回目の開催ということでした。

このカフェの立ち上げには、東日本大震災の被災地東北で繰り広げられた傾聴活動・ボランティア活動の流れをくむ方々の大変なご尽力があります。会の結成には吉尾天声(熊本教区浄玄寺住職)さん、糸山公照(同教区光照寺副住職)さん、現在、大江教会の牧師をされている立野泰博さん、浄土真宗本願寺派の僧侶で臨床心理士の緒方宏明さんが深く関わられています。カフェを開き運営してきたことで臨床宗教師を同時に育成してきたという歴史ももっています。東北大学で開講されている臨床宗教師の講座を受講する方も増え、それに合わせてカフェを支えるメンバーも徐々に増えてきて、現在では15人ほどが主として運営に関わってます。九州一円から僧侶や牧師をはじめ医師、教師、臨床心理士などの専門的な知識と現場を持たれた宗教者によってネットワーク(九州臨床宗教師会)が構成されています。

全体写真

 

 

 

大谷派の僧侶も参画しています。様々な宗派の宗教者が傾聴をとおした活動を進めていきます
大谷派の僧侶も参画しています。様々な宗派の宗教者が傾聴をとおした活動を進めていきます

当日、定刻になりカフェがオープンすると、いろいろな地域から徐々に人が集まってきて、まずは「カフェドモンク受付票」を記入します。受付票は、氏名・年齢・性別・来所の目的を記入します。特に来所目的の悩みの相談の内容については、人間関係や病気や仕事のことなど細かな分類があり、その内容に応じて担当の臨床宗教師に振り分けられ相談が始められます。相談を受けられる方の中には、家族連れで来られる方、四国から来られる方、医師や看護師の福祉関係者などもいらっしゃるということで、ケアを提供する人々のためのカフェや課題別のカフェの必要性もスタッフの方々は感じられているようでした。それだけ一人一人が持つ悩みがさまざまで、専門的な知識を要する相談も多々あり、より広く信頼できるネットワークが必要であることが伺われました。教会の隣にある高校の生徒さんも時々訪問されるということでした。

 

チラシも皆さんのお手製です
チラシも皆さんのお手製です

カフェでの相談は、基本的に30分から1時間と決められており、時間をはっきりと区切って応対していくことが大切ということでした。なかにはゆっくりとお話しされたい方もいらっしゃるようで、その方々はカフェの隣の礼拝堂でお話をされるということになっています。カフェでは、コーヒーや紅茶、煎茶、30人ほどのサポーターさんのお手製の洋菓子や持ち寄りのケーキなどが振る舞われていました。

 

 

 

数時間前からメンバーさんによって手づくりのお菓子が用意されます
数時間前からメンバーさんによって手づくりのお菓子が用意されます

カフェメンバーのAさん:「東日本大震災の時は、超宗派、超宗教で3分ずつお祈りをしていました。くまもとカフェデモンクとの大きな違いは、被災地では仮設住宅などに出向いて活動を行っていたことです。いまの活動は悩みを持ったひとに来てもらえているところでしょうか。お寺や教会には人々を安心させる何かがあるんですよね」。

カフェメンバーのBさん:「このようなカフェの機会をとおして、宗教の持つ本来的なものを回復していきたい」。

カフェメンバーのCさん:「人の悩みを共感できたとき、自分も同じ悩みがあることに気づかされます。以前、仏教者は看取りの現場になぜ立たないのかと指摘されたことが気になっていましたが、その言葉がご縁になって今の活動につながっています」。

カフェノ様子
カフェノ様子

カフェデモンクのメンバーのスキルアップのための努力も欠かせないようで、2カ月に1度の傾聴の検討会等の講義研修を重ねられています。また、カフェデモンクには日常的にも相談が多々寄せられ、相談ごとにメンバーに振り分けられて対応をされているということも聞かせていただきました。

 

 

ルーテル大江教会の立野牧師。仙台でのカフェデモンクにもかかわられ会いました。
ルーテル大江教会の立野牧師。

次回の開催は10月17日。さまざまな悩みを抱える方々のお話を聞く静かで地道な取り組みが続けられています。

 

 

 

 

 

臨床宗教師の役割の多様化とネットワークの必要性が感じられました
臨床宗教師の役割の多様化とネットワークの必要性が感じられました