01飯貝恵秀住職(左)と宮本亨一さん 伝道掲示板
あるがまゝを観て
あるがまゝを知り
あるがまゝを受け止め
あるがまゝに生きよ

福井・石川県の県境にある蓮如上人縁りの吉崎別院の真近く、もともと大聖寺教務所のあった大聖寺町。この町は藩政時代の城下町の特徴が残り、真宗寺院が町の中心部に配置されている。そのなかの一カ寺が、「ほんじょっさま」と言われている本善寺である。住職の飯貝恵秀さんは、もともと親鸞聖人流罪の地からご縁を結ばれている。

お寺にうかがうと、「掲示板に大きく書かれた法語は、法務を手伝ってくださる宮本亨一さんが書いてくださっているんです」と、住職がおっしゃられた。宮本さんは大聖寺教区因乘寺(家山勉住職)衆徒である。父親を早く亡くし、戸主として早くから因乘寺のお世話をするなかで、聴聞をされてきた。定年数年前に、ふと人生を振り返り、「これでよかったのか」と考え、得度を発心された。しかし、お寺の法務をするとはゆめゆめ思ってなく、七年前、飯貝住職から法務手伝いの依頼を受けたことを機に本善寺にご縁をいただいたとのこと。

筆まめな宮本さんは二年前から掲示板を任されている。「その時々の思ったことを勝手きままに書いています」。掲示板を見て意味がわからないと訪ねて来られる方や、毎月変わる言葉を楽しみにしておられるという方もいて、宮本さんは「有り難いこと」と語られる。

住職は教区の役職や同朋会の講師を務めているため、都合のつかない時などは、宮本さんが寺のお講を任されることがある。「自分中心の思いですから、言うことも書くことも間違いがあるということに気づかせていただいています。難しい仏教語は使うことができませんが、自分の思いを伝えたくても、それができない人もおられるなかで、私にその機会を与えてくださったご縁を大切にしていきたい」と、語られた。宮本さんが書かれる掲示板の言葉は、自身の歩みの表現であると思う。宮本さんは「法務を勤めるにあたっての気遣いはあまりないが、常に謙虚な姿勢を心がけています。住職や坊守さんがご門徒とのつながりを大事にしておられる姿をみて、微力ながら仏法相続のお手伝いをさせていただきます」と、語られた。

浄土真宗の流れをくむものはすべて親鸞聖人のご門徒であると言われる。寺に住む者も、住まない者も門徒の一人である。それぞれ自分にできる分限、役割というものがあり、その役割を大事にしなければならないと、今回の掲示板の取材で感じた

(大聖寺教区通信員 加端忠和)
『真宗 2008年(12月)』
「お寺の掲示板」大聖寺教区第1組本善寺

※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。

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