毎月ご門徒が木々の手入れや清掃奉仕を行う
岐阜教区第11組願長寺

伝道掲示板

優しい言葉 柔らかいまなざし

温もりのある空気

これで私は幸せになれます

 

木曽川と長良川の合流点の三角地帯に位置し、美濃路の東西先進文化の流路にもなった岐阜市日置江は、教如上人縁りの地であります。その日置江にある願長寺に伺いました。

きれいに清掃され、丁寧に手入れされている境内が見える山門の前に立つと、目に入ってくるのが2つの掲示板です。塀に掛けられた掲示板には筆で大きな文字で書かれた言葉が貼り出されています。もう1つの掲示板には本山、教区、組、そして自坊の行事案内等が貼られています。

この掲示板について尋ねようとすると、住職の川並秀賢さんが「掲示板の言葉はご門徒の加藤正次さんが書いてくださっています。ご門徒さんと一緒に掲示板を作っているんです」と話し始めてくださいました。近所のご門徒さんたちが、毎月境内の清掃や木々などの手入れのご奉仕をしてくださる中のお1人である加藤さんは、住職が前坊守を亡くされてから多忙な毎日を送っている姿を見て、何か少しでも住職のお手伝いをしたいということから、掲示板の言葉を塀が完成した昨年春から毎月書いてくれています。

掲示板の言葉は毎月(現在169号)発行されている寺報の「願長寺報」の巻頭に載せられている言葉が書かれています。半分の割合で引用の言葉と、住職が娘さん、前坊守を亡くされてから仏法に触れられた心境をつづられた言葉で書かれています。以前は長い文章も多かったそうですが、今は、書き手側のご門徒さんのご苦労も考えながら言葉を選んでいるそうです。

住職の川並秀賢さん
住職の川並秀賢さん

お寺の前を通ると、掲示板の言葉をメモする方、写真を撮っていかれる方、住職を見かけると質問をされる方もあるそうです。

住職は「この掲示板の言葉を見た人が、“何で? どういうこと?”という問いを持つきっかけになり、1人でも問いがある生活を送ってくれたらと思うと同時に、肝心な私自身が問われる、私自身に問いが生まれてくるような言葉を書き続けていきたい」また、「掲示板は毎日の説法で、私に代わって大切な教化伝道をしてくれる。掲示板の言葉でご門徒さん、お寺の前を通る子ども、大人の中から1人でも親鸞聖人の本願念仏の教えに触れてもらえたらという思いがある」と語られました。

この思いは掲示板だけでなく、年中行事、寺報、日々の生活の中にも表れています。寺報はご門徒さんだけでなく、法事にお参りされる人数分を用意し、必ず配られています。また、本堂には「願長寺ライブラリ」を設けて、子どもにも大人にも仏教に親しめる本やDVDを揃え、貸し出しもしています。永代経などの記念品には「教化冊子」を配ったり、報恩講には絵解きのDVDを流すなどいろいろな取り組みもされています。

親鸞聖人の教えをいただく者として何をなすのかという問いを持ち、誠実に取り組まれているご住職の姿勢にふれた時に、私自身の在り方が問われてきました。

 

(岐阜教区通信員 里雄 敬意)
『真宗 2010年(4月)』
「お寺の掲示板」岐阜教区第11組願長寺
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。

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