住職の轡水良夫さん
住職の轡水良夫さん

伝道掲示板

生まれた意義と 生きる喜びを 見つけよう

福岡県の北西部、古くには「漢委奴国王印」の金印の発見や『万葉集』に歌われる志賀島など、史跡や文化的資産が多く残る町、福岡市東区に今回のお寺、轡納山(ひのうざん)託乘寺はあります。住職の轡水良夫(ひすいよしお)さんにお話を伺いました。

掲示板伝導は昭和60年、現在の本堂の再建と同時に始められました。当時は、お寺の周りは田んぼばかりで、まだ住宅もなく、通りすがりに掲示板を見られる方も少なかったそうです。最近では福岡市中心部への通勤圏ということもあり、お寺の周りに住宅やマンションも増えてきて、ご門徒さんだけでなく近所に住んでいるたくさんの人たちの目にも留まるようになったようです。

掲示板伝導を始められてから25年、ほぼ月に1回のペースで、主に『真宗聖典』や諸先生方の本の中から、ご住職自身が感じられたことばや、心に残ったことばを選んで掲示板に書かれてきました。

今では託乘寺の掲示板も近所の人々の意識に溶け込み、法語を楽しみにしている方々もおられるそうです。それだけに、ちょっと油断して先月のままの法語になっていたりすると、「ご住職さん、まだ法語が変わっとらんですね」と言ってこられる近所の方もあるそうです。

掲示板で最近なされていることは、毎月の定例聞法会で話される法話のテーマとなることばを選んで掲載されているそうです。お寺に法語の意味を聞きに来る方がいると、「今度の聞法会でこの法語のことを話そうと思っていますので、ぜひおいでください」と、お誘いし、聞法会の時には、「掲示板を見て来られましたか?読んでどう思われましたか?」と、問いかけてからお話を始められるそうです。人と人との繋がりや出遇いを大切にされているご住職の雰囲気が、とてもよく伝わってきました。

託乘寺
久留米教区筑前西組託乘寺

住職さんは現在62歳。大学を卒業後すぐにお寺を継がれたそうです。「20歳そこそこで、右も左もわからないまま寺の住職になりました。いろいろな人に助けてもらい、いろいろな人と出遇わせていただきました。出遇いを大切にしています」と、語られました。若くしてお寺の住職となられ、いろいろなご苦労もあったと思われます。

最後に言われたことば「掲示板の法語を楽しみにしている人がいる。それなら、それに応えていくのが私たちの仕事でしょう」と、明るく笑顔で話される姿に、「あなたも頑張ってください!」と言われているようで、私自身後ろから力強く背中を押されたような勉強になる取材でした。

(久留米教区通信員 清原 宗)
『真宗 2010年(6月)』
「お寺の掲示板」久留米教区筑前西組託乘寺
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。

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