365お寺の掲示板01
人々を出迎えるように建つ掲示板。門に発ち、これからの歩みを想像させる
伝道掲示板
「あらゆる有情は輪廻の中において互いの親族であった」
(相応部経典・ 189頁 取意)
「一切の有情は、みなもって世々生々の父母兄弟なり」
(歎異抄 第5章)
「今、いのちがあなたを生きている」
(宗祖親鸞聖人750回御遠忌テーマ)

 


365お寺の掲示板02
人通りの多いところに建ち、行事と言葉を伝える掲示板。現代版のお寺の掲示板を考えるご住職

静岡県という土地は、同じ岡崎教区の愛知県と違い、禅宗や日蓮宗が多く、浄土真宗のお寺は全体の約1割と少ない。他宗派のお寺が何軒も立ち並んでいるすぐ傍に自然山真勝寺がある。

今回取材させていただいた真勝寺では、住職の代わりに副住職の真さんにお話を伺った。住職の正道さんは5年前から京都の大学に勤めておられ、教師資格を取得して真勝寺に帰ってこられた副住職さんとほぼ入れ違いのような形になっており、現在では法務のほとんどを副住職さんが任されている。

お寺は47年前、移転に伴い再建された。本堂は、先代の意向で当時としては珍しく、土足で出入りでき、参拝席はすべて椅子席になっている。また、本堂と庫裏の間には、喫茶や学習会など多目的に使用できる空間が広くとられているのが特徴的である。外から気軽に入ってくることができる雰囲気があり、門徒さんのことを第1に考えた造りになっていると感じた。

通りを歩く人に見やすい場所に設置されている掲示板には、法語をはじめ、真勝寺で力を入れている毎月1回の「しんらん教室」の案内として、テーマや講師名が掲示されている。「しんらん教室」は、毎回全国から、僧侶や作家、医師、映画監督などさまざまな方を講師に招いて開催されている。勤行、法話の後は講師を囲み質問や感想、日頃の悩みごとなど、参加者が自由に話し合える座談の時間を設けている。毎回80名ほど、春・秋両彼岸や盆、報恩講のときには300名ほどの方が参拝し聴聞されているという。

365お寺の掲示板03
集う人、集わない人。何をどう伝えていくのか

いろいろな方がお寺に来てくださるのを喜びつつも、副住職さんは掲示板や年4回発行している寺報だけでは、門徒さんに向けてお寺がどんなことをしているのかを伝えるのに限界を感じているという。

掲示板は通りを歩く人に限られてくる。寺報は核家族化によって若い世代には届いていない。今後は、昔からのお寺の掲示板や寺報を続けながら、同時にインターネットの活用も含め「現代版お寺の掲示板」のあり方も考えていきたいという。

また、「現代版お寺の掲示板」といっても、本質的な課題はホームページの立ち上げではない。現代に通じることばでお念仏を語れていないことに、自分自身の信心についての課題を感じている。

「同世代の会社勤めの友人から、「お寺は何をしているところで、その内容はどんな意味があるのか、わかる言葉でもっと発信してほしい、こう見えてもいろいろと人に言えない悩みを抱えて生きてるんだ」と言われたことがいつも頭にあるんです」とも語ってくれた。

ちなみに、現在その副住職さんの友人は、毎月、真勝寺で共に『歎異抄』に学ぶ間柄になられている。

(岡崎教区通信員 天野健太)
『真宗 2011年(11月)』
「お寺の掲示板」岡崎教区第34組真勝寺
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。

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