しんらん交流館の情報をお届けする広報誌『しんらん交流館たより』創刊号の青少幼年センターのページに掲載させていただきました富山教区第12組勝福寺さんの「子ども会」。インタビューから約5ヶ月後の2017年7月30日(日)、勝福寺さんは「子ども会」を再開し、お寺を子どもの遊びの場として開いていく歩みがはじまりました!その後の様子をお届けします!

おみやげのお菓子を手に集合写真

■声かけは、まずは親しいところから■

参加の呼びかけは、あまり大人数にならないように、まずは近しい門徒さんへハガキで行われました。その後、主には坊守さんが毎月1回開催している「豊柔の会(ほうにゅうのかい)」(※)という女性の聞法会の参加者を中心に口コミで広がっています。
「子どもたちにもぜひお寺に行ってほしい!」と、寺院が何でも語れる場だと実感した大人(豊柔の会の参加者)から子どもへと、ゆっくりと伝わりはじめています。

※豊柔の会(ほうにゅうの会):毎月1回、土曜日の13時半から15時半に開催している女性の聞法会。参加者は50代から80代まで。坊守さんの感話と参加者による座談会を中心に行い、「語れる場」としてのお寺を再発見する取り組みとなっている。

 

■手を合わせる大切さと遊ぶ慶び■

みんなで「正信偈」のお勤め

10時からの開会に合わせて子どもたちが集まってきます。まずは、ご本尊へのお菓子のお供えから。そして、「正信偈」のお勤め。遊びの時間になると騒ぎ走り回る子どもも、お勤めの時間だけはしっかりと座ってくれて、少し緊張しながら手を合わせる姿が何ともかわいい様子です。
中には、おばあちゃんがお孫さんのために手づくりの念珠袋を作って持たせてくださった方もいらっしゃいました。そのことを通して、念珠や教えを大切にする気持ちが子どもたちにも伝わっているようです。

お勤めが終わると座敷に移動してのお楽しみの時間です。見送りの親御さんも帰って、子どもたちも遠慮なく遊びはじめます。

座敷に移動しての名札づくり

楽しいゲームの時間

『しんらん交流館たより』でもご紹介したように、英語の得意な若院さんが、大きな子ども向けに英語の歌を歌い、小さい子ども向けには坊守さんが紙芝居を演じます。紙芝居の楽しい雰囲気に、年上の子どもたちも紙芝居に集まってきて、若院さんが「思うようにいかないね」とちょっと淋しげな表情を浮かべる一幕も…。

さらには、紙芝居舞台を舞台に見立てて、枠の中から子どもたちが顔を出して舞台の上から自己紹介!続いてゲームもみんなで楽しみ、子どもたちは大喜び!!最後は、再び本堂に移動して、お供えしていたお菓子をさげて、それをいただきます。

「楽しかった!!」「また来たい!」そんな子どもたちの声に後押しされて、勝福寺さんの子ども会は、毎月開催されることになりました。

子どもたちは思い思いに時間を過ごします

紙芝居舞台を舞台に見立てての自己紹介

■子ども会から伝わる教え ~寺マジック!!~■

後日、子ども会から帰ってきた子どもが自発的にお内仏(仏壇)に手を合わせていたとのこと。ご門徒さんは「これは、寺マジックや!!」と坊守さんに報告されていました。お寺という場、手を合わせる姿から、自然と伝わったものがあるのかもしれません。
祖父母から孫へ、さらには孫から親へ…。お寺が繋ぐ、世代を超えたご縁がつながりはじめているようです。

■これからの目標■

坊守さんは「いずれは、東本願寺での“子ども報恩講のつどい”に、子ども会の子どもたちと共に上山したい」と夢を膨らませています。豊柔の会で、改修前の同朋会館での最後の奉仕団として上山した際、ご門徒さんが痛く感動されたという経験から、子どもたちとの上山への想いが一層強くなっているそうです。

そして、坊守さんと若院さんが中心となって取り組む子ども会を、畳と障子の傷み具合をほんの少し気にしながらも、「本当に遊べる場所としてお寺があれば…」と語る住職さんは温かく見守っておられます。

(インタビュー:青少幼年センター、文責:企画調整局)

※『しんらん交流館たより』をご希望の方は、企画調整局までお問い合わせください。

たより創刊号表紙画像(JPEG)