寺院活性化支援員を派遣して、お寺の現状や課題、要望をていねいにお聞きし、寺族と門徒と一緒に教化の取り組みを考える〝寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院支援”
~高山教区益田組桂林教会 門徒のつくりたるお寺は門徒の手で~

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東本願寺で、毎年5月末から6月中旬に行われている宗議会・参議会が閉会した後の2019年6月19日。下呂温泉にほど近い桂林教会からお電話がありました。

日程調整を経て2019年8月28日、支援員と高山教区駐在教導でこのたびにお伺いさせていただきました。

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桂林教会は下呂の温泉街から少し離れた場所にあり、その周りには昔ながらのお家や商店街が立ち並んでおり、下呂温泉を突っ切るように流れる益田川がすぐそばにありました。

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当日は令和元年8月九州北部豪雨のあった日。下呂市内も朝から大雨で集まる人数も少ないかもしれないとも思いましたが、寺族・門徒含め13名が集まられました。
タイトルに“門徒の作りたるお寺”とありますが、今回の桂林教会の聞き取りでは進行や説明は全てご門徒で行われました。

まずはじめに、教会主管者 日野光洋さんから挨拶、次に進行を務める中川由治総代が挨拶され、参加者みなさんに短い自己紹介をしていただきました。

そして、いろいろお寺の悩み・課題を言う前に桂林教会の歴史を踏まえて議論いただきたいと言うことで、由緒・沿革についての説明が始まりました。

【桂林教会の由緒】
桂林教会は、天保元年(1831年)に下呂地区に散財する桂林寺(岐阜県下呂市馬瀬)門徒の寄合所として建立したのが始まりとのこと。

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そして、当時の有力門徒で飛騨の山林王と言われた中川源次郎氏に助力を仰ぎ、大正9年に本堂等を建設することにより再興して現在に至るとのこと。
そして、このたび2018年9月 桂林教会の教会主管者として日野光洋さんが就任されたということでありました。

懇談会の話題はこのような内容でした。

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【懇談会】
(1)門徒の作りたるお寺であるからこそ、お寺が相続されていくためには寺族の生活や後継者が心配
①小産多死、少子高齢化多死社会と言われる日本。日本人の年間死亡者数は100万人超が続いている。葬儀を仏縁とできるが、直葬が各地で増える中で下呂も人ごとではない。このことは、寺院の教化・運営にも影響する。そこで、お寺の会計の透明性を確保するために、葬儀や法要費用の目安を門徒に示すことをした。

お寺の法務は、現在桂林教会に所属する僧侶3人で行なっている。教会主管者の長男が2018年に得度したが、今後を担っていくことは、また別の話である。〝後継者が引き継ぎたくなる寺院″=〝僧侶にとっても門徒にとっても魅力のある寺院とするためにどんなことをしていったらよいか。

(2)寺院運営の課題と現時点で実施を模索している対策
①日本は8年連続人口減少である。下呂市も1960年(昭和45年)から13,000人が減少しており、日本創生会議が示した消滅可能性都市(下呂市も含まれている)が現実味を帯びてきている。
こうした状況の中で、「桂林教会門徒実態調査」を実施した。門徒の72.4%が高齢者、後継者がないと推定される戸数が11%、門徒の後継者と推定される方が下呂市外に居住している割合が25.8%で、今後も門徒で有り続けるとは限らないのが現実。
②2019年に青年部を実施したが、部員が仕事で忙しい。そんな中でどんな活動をしていったらよいか。その次の子ども世代も部活動や勉強で忙しい中で、どんな教化活動ができるのか大きな課題である。

(3)桂林教会の護持金や規則など寺院運営上の課題

寺院活性化支援室の協力できることの範囲ではないので、お話を聞き一緒に考えました。

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【今後に向けて】

積極的に消防団や地域の活動に出向き、下呂市街のお寺(他宗)と連携して日本人・外国人の観光客への対応をしようとされている主管者の日野光洋さん。
“門徒の作りたるお寺”として総代・副総代・顧問・地区総代・寺務局長・副事務局長・青年部会長・青年副部会長を置き、組織や会計の透明化を図っているご門徒のみなさん。
将来を見据えて、門徒の意識調査を全戸で行ってみる、教会主管者と同年代の青年層の関わりが増えることを願い、2019年に青年部を立ち上げられていらっしゃいました。

お話の中では、新しくできたこの青年部が肝になっていくのではないかとの期待の声もありました。

青年部のみなさんは、まだまだ桂林教会に関わり始めたばかりです。だからこそ、仏教・浄土真宗の教え、本山東本願寺や別院と桂林教会の関係性をまず知ってもらいたい。そして、桂林教会のホームページ、より良い規則の整備をしていくことに寺院活性化支援室として関わって欲しいとの声が上がりました。

支援員は、今後もお話し合いの中で僧侶・門徒とともにお寺の教化活動を一緒に考え、つくっていく取り組みの伴走者となっていきます。

【寺院活性化支援室】

過疎・過密地域寺院支援では、お寺にお伺いして寺院活性化支援室の説明とお寺の現状の聞き取りからはじめていきます。今後、お話をする中で教化活動のきっかけとして本山から講師を派遣する「お寺に寄り添う講師派遣」、慶讃法要が勤まる2022年度まで行う「離郷門徒のつどい」の助成や「地域連続法話会」の助成によって、真宗の教えが伝わる場と教えてを相続していく環境づくりに取り組んでいきます。

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