生老病死の問いを様々な現場で考え、表現している方を講師に迎え、「老病死」を抱える身として生まれた私たちの存在とはどういうものなのか、そのことをともに考える「しんらん交流館公開講演会」

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命どぅ宝 ――戦争は未来の命をも奪っていく

「命どぅ宝」(ぬちどぅたから)とは沖縄の言葉で「命こそ宝」という意味です。

石川文洋さんは、命が何より大切だとおっしゃられています。ベトナム戦争や中東の紛争地域に赴かれた際には多くの民間人が戦争に巻き込まれる様子を直に目の当たりにされました。

 ベトナムでは、ジャーナリストが日本人だけで14人も亡くなられています。「私が死んでいても不思議ではなかった。私は運良く生きて帰ってくることができたから、その後も船で地球一周の旅をしたり、アメリカ縦断や日本縦断をしたりと、本当にいろんなことができたけれど、死んでしまったら何もできないんだ、戦争は人の殺し合いで、民間人が犠牲になるんだ

 また、子供たちに戦争の話をする際には、自分の命、友達や家族の命が大切だというのはもちろんだけど、それだけではなくて、他人の命を思いやる、想像する習慣をつけてほしいと語られています。例えばアフガニスタンで撮影した地雷で足を失った子どもの写真や、学校が破壊されてしまって野外で授業を受けている子どもたちの写真を見せながら、「みんなは今、ここでこうして勉強しているけれど、同じ瞬間にこんな状況にいる子どもたちもいる。戦争だけでなく、食べ物がないためにどんどん命が失われていっている国もあるんだよ」という話をされるそうです。

故郷の沖縄と、 戦火のベトナムが重なって見えた

戦争を考えるときに、石川さんは故郷の沖縄を基本とされるそうです。沖縄はアジア太平洋戦争のときに激しい地上戦が行われた地です。双方の軍人だけでなく、多くの沖縄の方たちが犠牲になりました。その構図はベトナム戦争だけでなく世界各地で起こっている紛争にも当てはまると語られています。

戦争は今いる人たちだけでなく、未来の命も奪っていくものです。「遠くの国で起こっていること、私たちには関係ない」と無関心にならないように現代を生きる私たちは考えなければならないのではないでしょうか。

講演会では戦争とは何か、また生れ故郷である沖縄への思いをお話しいただきます。

●開催日時 2019年10月17日(木)18:00~19:30

●講   師 石川文洋さん【報道写真家】

●聴  講  料 500円

※1階京都ホテルオークラ・オリゾンテのソフトドリンク1杯無料券付です。講演会のはじまる前に、美味しいコーヒー・紅茶をどうぞ(当日から10月末日まで有効です)

●そ  の  他 事前申込み不要です。公共交通機関をご利用ください。

【講演にあたって】

石川さんはベトナム戦争にカメラマンとして従軍し、その後も数々の戦場を取材されてきました。その体験から、「戦争の悲劇を想像することが、戦争を防ぐ力になる」と考え、様々な場で伝えられています。講演会では、戦争とは何か、また生れ故郷である沖縄への思いを〝伝えて”いただきます。

【プロフィール】

1938年沖縄県那覇市首里に生まれる。1965年1月~1968年12月までフリーカメラマンとして南ベトナムの首都サイゴン(当時)に滞在し、ベトナム戦争の報道写真を世界に発信した。主な著書に『カラー版 ベトナム 戦争と平和』〔岩波書店/岩波新書〕、『戦場カメラマン』『報道カメラマン』〔朝日新聞社/朝日文庫〕、『日本縦断 徒歩の旅 -65歳の挑戦-』〔岩波書店/岩波新書〕がある。

【石川文洋さんの最近のニュース】

2018年7月から徒歩で日本列島縦断を続けていた石川文洋さんは、2019年6月8日、生まれ故郷の那覇市で約3500キロに及ぶ旅のゴールを迎えられました。日本縦断は2003年に続き2回目です。
北海道稚内市の宗谷岬を出発した石川さんは、東日本大震災の被災地などを経由し、沖縄入りされました。
ベトナム戦争で沖縄は米軍機の出撃拠点となり、石川さんは現地で従軍取材を続けてこられました。

「生まれた沖縄から飛び立った米軍機が、ベトナムで爆撃しているのは非常につらかった」

と語られています。

石川文洋さんとの出会いから、フォトジャーナリストとしてベトナムに足を運んで〝現在”を伝え続けておられる村山康文さん。2017年12月にご講演いただきました。

石川文洋さんと村山康文さんの出会いhttps://readyfor.jp/projects/marikosstory/announcements/78102

【映像公開】第30回しんらん交流館公開講演会 2017/12/21(木)18:00~19:30 講師 村山康文さん(フォトジャーナリスト)

【次回以降予定】

2019年11月14日(木)関野吉晴(探検家・医師・人類学者)

2019年12月12日(木)山折哲雄(宗教学者)

2020年1月未定

2020年2月6日(木)原田眞人(映画監督)

2020年3月未定

2020年4月8日(水)高木慶子(上智大学グリーフケア研究所特任所長)

2020年5月8日(金)塩野谷笙子(ジャズピアニスト)ハワイ在住

 

以降未定