正西寺境内相馬親鸞教室

東日本大震災後、教区教化委員会の復興教化事業として被災寺院の教化活動をサポートする親鸞教室が始められています。現在行われているのがいわき親鸞教室と相馬親鸞教室。この日は相馬の正西寺で行われた親鸞教室に伺いました。

相馬親鸞教室は、原町別院と正西寺の二箇所で始まりました。相馬親鸞教室は年間4回の講座を3年で12回行う計画。この地は200年以上前に加賀藩から移った真宗門徒が根を下ろし、念仏の教えを開いていった歴史があります。門徒も自分たちのルーツを知りたいと今年は「相馬移民の歴史に学ぶ~いま過去を学び、未来を考える~」というテーマを掲げて始めました。「2011年は、北陸からの移民200年という節目の年でありました。入植当時の先人の歩みは、私たちの想像を超える苦難の道であったに違いありません。苦難を生き抜いてきたいのちの歴史の上に、いま私が在ります」と呼びかけました。

太田浩史氏の法話
太田浩史氏の法話

講師には相馬と真宗移民をテーマに独自の研究を続けている高岡教区大福寺の太田浩史さん。3月と5月に行われた親鸞教室は2会場で連続して同じ講座が行われていましたが、7月と今回は同一会場で合同で行うこととなりました。前回は原町別院で、そして今回は正西寺。互いの会場にはバスを使ってそれぞれの門徒が参加しました。
スタッフは2人と教区駐在教導。スタッフの一人真行寺住職の佐々木道範さんは二本松市から同寺の同朋会の皆さんを12名ほどマイクロバスで連れてきました。
本堂は正西寺、原町別院、真行寺の門徒あわせて80名で満堂に。この日は太田さんの法話の後、石川県金沢市で活動している劇団による朗読劇が行われました。また、仙台教区仏教青年会が協力して、炊き出しを境内駐車場で行い、たこ焼きや焼き鳥、ぜんざいをふるまいました。

正西寺は地震によって庫裡が全壊したため、現在建築計画中で、門徒の賛同を得て再来年の春の竣工に向けて準備が進められています。八幡義宣正西寺住職は「親鸞教室ではいろいろと門徒の皆さんに窮屈な思いをさせていますが、庫裡会館が完成すれば皆さんに大いに活用いただきたい」と話してくださいました。

両会場での来年以降の日程や年間テーマは今後、スタッフとともに検討していくとのことですが、親鸞教室が終了してもそれぞれの門徒がお寺を行きかう姿が見られることが願われます。

福島の民話を語る会による朗読劇
福島の民話を語る会による朗読劇

 

仙台仏教青年会が炊き出し
仙台仏教青年会が炊き出し