2015年5月13日、「富山教区第10組一ヶ寺一同朋の会結成促進委員会」が開催されました。「第10組一ヶ寺一同朋の会結成促進委員会」では、「一ヶ寺に、一同朋の会を」をスローガンとして活動してきましたが、今回は宗務所企画室を交えての協議、意見交換となりました。第10組の取り組みは、2014年8月から始まっていますが、これには2つのきっかけがありました。

 

【寺は、伝道の寺であってほしい】

富山教区では、2014年3月3日から5月11日まで、御遠忌讃仰事業連続法話会「百人百話」を開催いたしました。

百人百話に立つ講師。毎回数十名の門徒さんが聴聞に訪れました。
百人百話に立つ講師。毎回数十名の門徒さんが聴聞に訪れました。

この企画は、「聞法のご縁作り」と「伝道を使命とする僧侶の育成」をコンセプトとしていましたが、「毎日、法話会を開いたところで、聞きに来る人がいるのか」「講師がそんなにいるのか」という意見が多くありました。何度も頓挫しかけた企画の支えとなったのは、ある御門徒の「寺は、伝道の寺であってほしい」という願いでした。この願いは、御遠忌以後「一ヶ寺一同朋の会促進委員会」に引き継がれていくことになります。

 

【やる気がないなら、台風で飛ばされてしまえ】

「百人百話」の真っ最中であり、御遠忌法要直前の2014年4月16日に開催された「教勢調査報告会」では、富山教区の同朋の会結成率が全国ワースト4であるということが明らかになりました。

その調査結果を受けての富山教区同朋会議(2014年7月10日)は、御遠忌以後の教区の行く末を語り合う大切な機会だったのですが、参加人数は30名に満たないものでした。その現状を目の当たりにして、参加者の御門徒は「やる気がないなら、台風に飛ばされてしまえ」と涙ながらに語って下さいました。それは同朋の会結成率がワースト4だったからではなく、これからのことを語り合うことさえできない現状への涙でした。

富山10組 環境分析 20150513

 

【御遠忌以後の新たな一歩】

「寺は伝道の寺であってほしい」との願いから始まった富山教区の御遠忌は、「やる気がないなら、台風に飛ばされてしまえ」という叫びで終ったのでした。ただ、それは新たな一歩でもありました。御遠忌はゴールではなくスタートである、とはよく言われることですが、教区同朋会議から約一ヵ月後に、既に述べた二人の御門徒を中心として「第10組一ヶ寺一同朋の会結成促進委員会」が立ち上がりました。現在は組会、組門徒会の協力のもと、名簿の整理やアンケートの実施を行って現状把握に努めています。その結果、同朋の会を開きたいというお寺が相当数あることもわかってきました。

 

百人百話の取り組みは素晴らしかったが、大きな反省点があると語る。時代に響く真宗の教えを説ける人の育成が最優先されなくてはならない。
百人百話の取り組みは素晴らしかったが、大きな反省点があると語る。時代に響く真宗の教えを説ける人の育成が最優先されなくてはならない。
【教区・組の範囲を超えて事例に学ぼう!】

このような経緯から5月13日の「富山教区第10組一ヶ寺一同朋の会結成促進委員会」は開催されました。副組長がこれまでの取り組みを説明したあと、企画室からプレゼンテーションがありました。教勢調査の結果を中心に、宗門の現状や歩み出すべき方向性が示されましたが、なかでも鹿児島教区の同朋の会結成への熱意や北海道教区の事例(5月末からの根室別院での寺院活性化を目指した取り組み:根室ジーンプロジェクト)からは、大きな刺激を受けました。

人口の流動についていけない苦しさはあるが、つながりをしっかりと把握して同朋の会やお講の活性化を図りたい。そのためには様々な教化の事例がほしいと語る委員。
人口の流動についていけない苦しさはあるが、つながりをしっかりと把握して同朋の会やお講の活性化を図りたい。そのためには様々な教化の事例がほしいと語る委員。

 

 

富山教区では初めての取り組みであっても、全国には同じ課題をもって具体的に活動している仲間がいる。そのことがわかっただけでも大きな収穫でした。成功事例は大いに学び、富山教区にあったやり方にアレンジしながら、目標に向かっていきたいと思います。

 

 

『同朋新聞』2015年5月号。結成層促進委員会を引っ張るメンバーの一人、松本弘行さんがメッセージを送られています。
『同朋新聞』2015年5月号。結成層促進委員会を引っ張るメンバーの一人、松本弘行さんがメッセージを送られています。
百人百話ののち、ある組では、となりの組同士で講師を派遣し聴聞の集いが開かれるようになった。百人百話でのアンケートではかなり厳しい意見もあったため、多くの方が奮起し切磋琢磨している。
百人百話ののち、ある組では、となりの組同士で講師を派遣し聴聞の集いが開かれるようになった。百人百話でのアンケートではかなり厳しい意見もあったため、多くの方が奮起し切磋琢磨している。