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8月27日に北海道の根室別院で第4回となる「みんなの生き方ラボ(ウェイクアップセミナー)」が開催されました。

 

【地域の方々とともに楽しむアクションプランを具体化しよう!】

DSC05296今回のセミナーでは、第3回のセミナーで取り組んだ「三方良しの企画(自分・友人・別院にとって楽しく嬉しい企画)」を具体的な行動へ移すためのアクションプランの組み立てや事前準備を行いました。

8班体制で行われる企画は、地元の有名店が作る「エスカロップ(地元のソウルフード)」の食べ比べ、近くの港で水揚げされたばかりのサンマを使ったバーベキュー、別院周辺の寺院や名所などを巡るウォーキングイベントなどの地域色を前面に出してみんなで親しもうというものがある一方で、道東には原生しない竹を九州から取り寄せて「流しそうめん」を実施するなど北海道では体験することが難しいものを地域の方々へ紹介するものもあり、どれも皆、オリジナリティに富んだ企画が組み立てられていました。

 

【地域に別院の門戸を開く】

DSC04121こういった取り組みに着手する背景には、地域の方々に「根室別院」に親しんでいただき、いつでもご参拝いただけるような「コミュニティ」を形成することがあります。

行事がない時であっても、行事で知り合った友人や親切に応対してくださるご輪番や列座の皆さんとお会いして、互いに親しみあって会話を交わしながらお参りすることができる。「根室別院」は、そのような開かれた別院であることを地域の皆さんへお伝えする一つの方途としてこのような場を開きたいということで取り組みが進められました。

DSC04306ワークに入る前の説明では、8月29日に計画を実行するための「社会実験」の取り組み方や、実験後の取り組みに反映させていくことを意識して準備を進めていく方針が確認され、「お寺に足を運びにくいと思っていた人々が、皆さんの企画を通じて「お寺はいつでも足を運べる親しみが持てる場所」だと思っていただけるような取り組みにしたいと思っています。」「今回の取り組みの後にも継続していける取り組みであることが重要です。今回の実験を踏まえて、継続的に別院という場を開いていける取り組みへと発展させていけるように取り組んでください」と山崎 亮さん(コミュニティデザイナー StudioL代表)から助言をいただきました。

 

【門徒・地域住民・別院が一体となったチームの形成】

DSC050368月27日のワークから続いて、28日には翌日の「社会実験」に向けた準備が進められていきました。

この日は、企画を立案したご門徒や地域住民の方々に加え、別院のご輪番や列座の皆さんも朝から準備に取り掛かっていました。

継続して取り組むことができるよう、実験にかかる費用は各チームのメンバーが負担し、できるだけ経費を抑え、手元にある材料や手作りの備品などを用意して準備が進められていき、あるチームでは午後7時を回ってもなお、入念に準備に取り組む姿が見られました。

ただ、驚くべきことは、準備に取り組むすべての人々が、「笑顔」で作業に取り組み、形が出来上がってきた各々のブースを見ながら、「これいいね!」、「きれいだね!」、「これかわいい!!」と互いにたたえあっていた事です。これは、まさに「三方良し」の企画を求めた結果として、自分も友達も別院も共に喜び合うという意識が自然に身に付いていたことを示すものだと言えます。

DSC05042会場を「カフェ」のような雰囲気で作り上げたいという発想の中で、メニューを示す黒板のような看板がシンボルとしてほしいという要望がありましたが、近隣には目的に合致するような備品を取り揃えているお店はありません。すると、ご輪番自らが資材を調達し、忙しい法務の合間を縫って一から看板を作成してくださいました。

完成した看板を見て、ご門徒や列座の皆さんは「かっこいい!」と感嘆の声を上げ、ご門徒や地域住民の方々、そして別院が一体となって取り組むチームの「シンボル」のような看板の完成を皆で喜んでいました。

 

【年齢の垣根をも超える別院の力】

DSC0570529日の社会実験には、昼前から大勢の方々が集まってくださいました。

北海道では珍しい本物の竹を使った「流しそうめん」のブースに人だかりができたかと思えば、新鮮なサンマの塩焼きの匂いが漂えばバーベキューブースにも多くの人が集まります。

屋内に設置された映画上映では、若い方々ばかりではなく壮年世代の方々も多く集まられ、マイケル・ジャクソンの「This is it」を観ながら会話を楽しみ、箕浦列座が講師を務めた「イケメン僧侶によるご法話」にも部屋に入り切れないほどの人々が集まり、「桃太郎」の紙芝居を用いたご法話を聞き、時には大声で笑いながらも深くうなずいておられました。

DSC06033手芸教室や手作りジャムの試食会、エスカロップの食べ比べにも、子どもから大人まで大勢が押し寄せ、年齢の異なる方々が互いに笑顔でイベントを楽しみつつ、隣り合った人々と会話する様子が伺えました。

「社会実験」の最後には、スタッフ全員での記念撮影が行われ、方々から「また、別院でやってみたいね」と笑顔で声を掛け合っていました。

9月には第5回となるセミナーが開かれ、今回の取り組みの振り返りとともに、次年度へ取り組みを継続していくための話し合いが持たれる予定です。別院を開き、別院が大切にしてきた「教え」がじわりと浸透していくような人の繋がりを広げていく、継続的な取り組みへと発展することが願われます。

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