みんなでお昼ご飯のカレーです。美味しかった~!
みんなでお昼ご飯のカレーです。美味しかった~!

【会場は組内寺院で持回り】

10月31日に山陽教区第4組(兵庫県姫路市)西方寺において、報恩講児童の集いが開催されました。今回で41回目の開催となるこの集いは、主に小学生を対象とし、「ほとけの子にしたいという阿弥陀さまの願いを聞いていく」ことを趣旨に毎年実施しています。第4組は、23ヶ寺で構成されておりこの23ヶ寺の寺院で毎年会所を持回り開催されているのがこの集いの特徴です。元々は、「共同教化」に重きをおくようになった際、日曜学校を実施していた寺院に組が加わることで、組の教化事業として実施することになったのが始まりです。そして、1ヶ寺1ヶ寺の特色を活かすべく寺院持回りというかたちで開催されるようになりました。つまり、都合が合わないときなどを除いて基本的に会所となるのは、23年に1度なのです。

【楽しんでもらうことが一番】

朝9時30分から始まった集いには、子どもたち16名とスタッフ数名が集まりました。開会式は、子どもたちによる供灯・供花に始まり、真宗宗歌斉唱、ちかいのことばに続き、第4組の藤本浩之副組長より「今回で41回目の報恩講児童の集いは、親鸞聖人の教えをともに聞いて、それを受け継ぎ次に伝えていこうという集まりだよ。長い長い年月をかけて続けてきたんだよ」と開催の挨拶がありました。

【若手寺族(スタッフ)の活躍と育成の場】

参加した子どもたちは夢中で紙芝居を聞いています。
参加した子どもたちは夢中で親鸞聖人の紙芝居を聞いています

開会式の後は、若手スタッフによる法話がありました。最初は、隣の子とも距離を置いてゆったり座っていた子どもたちも紙芝居が始まると即座にスタッフの周りに集まり、興味深く親鸞聖人のご生涯に耳を傾けていました。

次は、お勤めの練習の時間です。みんなで東本願寺出版発行の「子どもおつとめ本 正信偈」を1ページずつ練習しました。最初は、声が小さく恥ずかしそうだった子どもたちですが、スタッフが急きょ「誰が一番声が大きいか選手権」と言うと、みんな競うように声が出るようになりました。子ども心を掴むことにたけた臨機応変さです!!

みんな笑顔で発声練習です。
みんな笑顔で発声練習です

次は歌の時間です。ゲーム仕立てでハンカチを投げて宙に浮いている間だけ「笑う」などとてもユニークな時間です。楽しく声を出すということにみんな笑顔でした。みんなの声が出るようになると、昼食の際の「食前・食後の言葉」の練習や、閉会式で唱和する三帰依の練習も行います。このように、遊びながら楽しく覚えるということが実践されました。

 

 

【門徒さんのノウハウを借りて】

子どもたちが発声練習しているときに、大人たちも裏で炊さん飯ごうの準備です。
子どもたちが発声練習をしているときに、大人たちも裏で飯ごう炊さんの準備です。

子どもたちが楽しんでいる中、大人たちは裏で飯ごう炊さんの準備です。薪を膝で割り、火に入れて…、炊きあがると新聞紙で煤を落とし…。竈で炊飯をしていた昔の姿を目の当たりにしました。この時も、スタッフは会所寺院の門徒さんに教えてもらいながら飯ごう炊さんのノウハウを受け継いでいました。そして、お昼は、大人たちが頑張って炊いた白米でカレーです。境内地にブルーシートを敷いて野外でいただきます。お替りする子も多くみんな美味しそう!!先ほどの時間に練習した「食前の言葉」「食後の言葉」もみんなで唱和しました。

【1ヶ寺1ヶ寺らしさを】

「昆虫太極拳」みんな楽しみながらも必至です!!
「昆虫太極拳」みんな楽しみながらも必至です!!

午後からの時間はお楽しみ会です。レクリエーションでは、「昆虫太極拳」「ゴキブリジャンケン」「リーダーは誰だ!」「ハンカチ落し」などスタッフが企画した盛り沢山な内容でした。子どもだけではなく、大人も一緒に楽しむ時間です。

最後に、会所西方寺の元持 拓也住職がお知り合いの演奏者を招いて、クラシックコンサートが開かれました。ピアノとヴァイオリンが奏でる綺麗な音色にみんな酔いしれる素敵な時間を過ごしました。

午前の開会式・法話・お勤めの練習・歌の時間・昼食は例年大きな変化はありませんが、午後からのお楽しみ会こそが1ヶ寺1ヶ寺らしさを物語る取り組みの醍醐味となっております。人形劇だったり、宝探しだったり、住職が空手の師範の寺院では空手の体験だったりと会所寺院らしさで彩られます。

【教区の取り組みとも相まって】

組内の若手寺族は、山陽教区で実施されている「児童夏の集い」や「こども花まつり」などの事業で、スタッフとして参加している方が多くいます。そこでの取り組みやテクニックなどを組の事業である報恩講の児童の集いに取り入れ、携わっています。そして、組の報恩講児童の集いを機縁として、子ども会・日曜学校を始める寺院もあります。まさに、教区-組-寺院が連携し一体となって開催されているのがこの事業なのです。

【世代をこえて-組内のつながりを強化-】

41年目の開催となるこの集いは、なんと参加した寺族の子どもたちが年数を経て、スタッフとして参加します。子どものときに楽しんだ記憶そのままに、時代を超えて次は、子どもたちと楽しむ。そのぐらい長い時間をかけて受け継がれてきました。

また、この集いは、若手の方の組の行事の入り口となっています。組内の若手スタッフを中心に企画実施するため、若い方たちも入りやすいのです。そこで、同年代のスタッフたちと話したり、先輩住職方に意見をいただいたりしていくなかで組内のつながりが強化されています。

ピアノとヴァイオリンが織りなすクラシックコンサート
ピアノとヴァイオリンが織りなすクラシックコンサート

【また来年会いましょう!!】

最後の閉会の挨拶は、「みなさんまた来年会いましょう」!!今回参加した寺族の子どもたちがきっと数十年後には、スタッフとして地域の子どもたちに教えと楽しさを伝えているでしょう。41年前から連綿と続く報恩講児童の集い。来年は、どんなことが開催されるのでしょうか。正に、教区との連携、組の共同教化と寺院の活性化、将来へつながっていく取り組みを期す事業となっています。