東日本大震災から5年…。

大津波によって全壊となった本稱寺(陸前高田市)。住職の佐々木隆道さんが被災後に語った、「忘れないでください。それが被災地の一番の願いです」との声に呼応し、「決して忘れない…、この震災を心に刻み、犠牲者に思いを馳せ、今後も復興と支援の思いを繋いでいきたい」という願いのもと、被災地仙台教区では、翌2012年より各地での追弔法要勤修の賛同呼びかけをしてまいりました。
それは、津波に流され土中から発見された本稱寺の梵鐘とともに、全国各地、それぞれの場所で同じ時刻(3月11日午後2時46分)に鐘をつき、法要を勤めましょうという呼びかけであります。

           (「勿忘の鐘2016賛同のお願い」より)

 

東日本大震災から5年目である今日、教学研究所から被災地である南相馬市、大船渡市にお参りにうかがいました。

◆福島県南相馬市 原町別院

今年も原町別院で門徒衆と近所の人々と共に、震災で失なわれた様々ないのちへの痛み、支援していただいた方々への感謝を込めて勿忘の鐘をつきました。「忘れない」という想いが、この鐘の響きには込められています。
鐘が終わる頃、雪になりました。あの日から毎年、この日は雪です。被災地は来年、七回忌を迎えます。DSC02974

                                                     原町別院(写真協力:南御堂)

◆大船渡市三陸町 正源寺

本日、大船渡市三陸町の正源寺(仙台教区気仙組)で東日本大震災物故者追弔法要がいとなまれました。掛川玄淳住職による挨拶の後、参詣の方々とともに正信偈を唱和しました。掛川住職は挨拶のなかで、何年経ってもあの時の悲しみを思い出しますが、そのなかで現状を見つめ、寄り添い、忘れない。そして伝えいくことを大切にしていくと語られていました。法要の後、「勿忘の鐘」が震災発生時刻の2時46分に撞かれ、海に向かって黙祷しました。
震災から5年。仮設住宅から新居に引っ越された方など少しずつではありますが、復興にむけた歩みがすすめられています。
しかし、震災から5年たったとはいえ、亡き方に対する気持ちが区切れるわけではありません。お集まりになられた方々は、悲しみを胸に抱きながら、それぞれ境内をあとにされました。

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大船渡市三陸町 正源寺