現代のすがたをみつめる「生老病死」をテーマとした講演会。

7月は、看護師であり、臨床哲学を社会に展開するために活動中の西川勝(にしかわ・まさる)さんをお迎えして行います。

講題は「とつとつと生きる-老い人がほほえむとき-」

西川さんは1957年大阪市生まれ。20代からを精神病院・人工血液透析・高齢者介護の臨床現場でナースとして働かれ、40代になって大阪大学の臨床哲学活動に参画しました。
その後、2005年4月から2016年3月まで大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの特任教員として「デイスコミュニケーションの理論と実践」「認知症コミュニケーション」などの授業を担当し、現在は臨床哲学を社会に展開するために活動中です。
ダンサーの砂連尾 理(じゃれお おさむ)さんと特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」と一緒に通い介護を超える試みとして、入居者や施設職員、一般参加者など)と一緒に身体と言葉をつかったワークショップ・勉強会の「とつとつダンスワークショップ」を続けているそうです。
そして、この活動発表会となり、東京・大阪・仙台などで行ったダンス公演「愛のレッスン」へと展開していく中で、老いの姿が輝くことを学んだと言われます。

公開講演会用チラシ

≪とつとつとは?≫ 口ごもりながら話すさま。

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≪臨床哲学とは?≫

現実社会の具体的場面で生じているさまざまな問題を「治療」という観点から考え、「医者」ではなく、むしろ「患者」の立場に立って考えていこうとする哲学的活動です。これまでの哲学が抽象的な「一般的原理」の探究を目指してきたのに対し、臨床哲学はあくまでも具体的な「個別事例」から出発することによって既成の原理を揺さぶり、新たな観念や思考のスタイルを紡ぎ出すことを試みます。

 

         〈とつとつな音〉

       作:伊達伸明(美術家)

目標達成欲の強い人は、とつとつが許せない。
それが発展途上に見えるから。
仕切るのが好きな人は、とつとつが許せない。
それが牛歩戦術に見えるから。
オチがないと気がすまない人は、とつとつが許せない。
それが阿吽の呼吸に依らぬから。
若さの秘訣は?などという人は、とつとつが許せない。
それが身体の限界に見えるから。

       未整理の過去と手さぐりの未来との間に
点描でしか描けない現在がある。
それを描く音、とつとつ。
            (以上、「とつとつダンス」発表会 当日パンフレットより)

≪西川勝さんの主な著書】

『ためらいの看護』(岩波書店)、『となりの認知症』(ぷねうま舎)、『「一人」のうらに —尾崎放哉の島へ—』、『ケアって何だろう』(医学書院)、『認知症ケアの創造』(雲母書房)など。

≪ダンサー砂連尾 理(じゃれお おさむさん)ホームページ≫

≪京都府舞鶴市 特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」≫

【申込不要/聴講料500円(しんらん交流館1階オリゾンテソフトドリンク1杯無料】

是非、ご来場ください!