2018年4月13日、久留米教区での第3回「元気なお寺づくり講座」を開催しました。

講師は引き続き、寺院活性化支援員で日豊教区駐在教導の中西無量氏が担当。

 

第3回のテーマは「受け手の視点から寺業計画を具体化する」です。

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この回は、マーケティングの視点でお寺の運営を考えようという趣旨です。

“マーケティング”という言葉だけ聞くと、何か経済活動や商売のように感じるかもしれませんが、”相手にとって価値ある提供物を届けるための活動”という概念です。

お寺で言えば、教えを届けたい相手がどんな人で、どんな思いで生きている人なのかを想像しつつ、お寺が応えるものを相手の視界に届けていくような活動と言ってもよいのではないでしょうか。

“受け手”という言葉で表現するところには、届けたい相手を知り、相手の目線に応じる形で表現することの重要性を示しています。

それは、真宗寺院で言えば、門徒さんが受け手でもありつつ、同時に門徒さんが共創する主体でもあるというところに特徴を見ることができます。

 

genki_kurume_03_02ワークショップでは、マーケティングの視点を持って、具体的な企画を考える練習をします。

この回では、仮想のお寺の物語をもとに、報恩講を活性化していくという趣旨の企画をグループワークで考えます。

企画を届けたい相手はどんなことに関心をもち、どんなライフスタイルにいるのかを具体的に想像しつつ、お寺の取り巻く環境やお寺の強みに注目しながら、報恩講の活性化に結びつけていくような事業のアイデアを出し合います。

 

そして、最後はグループごとに考えた企画内容の発表です。

それぞれの発表に、盛んに質問や意見が寄せられていたことが印象的でした。

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ワークショップでは、仮想寺院がモデルで、自坊で考えるような現実的な縛りを解いて発想したこともあり、多くの方から「楽しかった」という声が聞けました。

 

その中、寺族の方からは

「できそうもないからやめるのではなく、こういう風になったらいいなということで話ができたら、協力関係など広がるかなと思う」

や、

門徒さんからは、

「お寺は参加するものだと改めて思った」

と前向きな発想が生まれたことは、この講座の大切な趣旨が伝わっていることを感じました。

 

次回はいよいよ、自坊の寺業計画書の素案を持ち寄り、意見交換をしていきます。