本物の伝統技術を持った企業がいなくては国宝が消滅してしまう、と危機感を持ちました。そこで職人すべてを正社員にすることで、社員の離職率を減らそうと考えた。同時に、若い人をどんどん雇うことができ、48歳くらいだった平均年齢も今は38歳ぐらいになりまし講演会た。生活が安定したことで社員の離職率が激減し、品質も向上するという好循環が生まれたのです。

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バブル崩壊後の日本の銀行に眠る巨額の不良債権を指摘、金融アナリストとして活躍するも、「マネーゲームを達観した」とゴールドマンサックス証券を退社したデービッド・アトキンソンさん。
その後、縁あって文化財の補修を手がける小西美術工藝社の経営に携わりました。

「伝統技術に将来はない」
当時の小西美術工藝社にはそんな意見もあったそうです。

「職人がいなくなれば日本文化が守れない」
との思いで携わる中で、伝統技術を継承する職人の雇用が不安定なことを知り、雇用を改善されました。
文化財保護の現場から見えてきた、人を育てること、伝統技術・文化のあり方についてのお話しをお聞きし、人間の生きることについて一緒に考えたいと思います。

●開催日時 2018年9月19日(水)18:00~19:30
●講  師 デービッド・アトキンソンさん【小西美術工藝社社長】
●講 題 ものづくりとひとづくり
●聴 講 料 500円
※1階京都ホテルオークラ・オリゾンテのソフトドリンク 1杯無料券付です。講演の始まる前に、美味しいコーヒー・紅茶をどうぞ(当日から10月末日まで有効です)
●そ の 他 事前申込み不要です。公共交通機関をご利用ください。
【プロフィール】
株式会社小西美術工藝社代表取締役社長。奈良県立大学客員教授。三田証券社外取締役。
1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学(日本学専攻)卒業後、大手コンサルタント会社や証券会社を経て、1992年ゴールドマン・サックス証券会社入社。大手銀行の不良債権問題をいち早く指摘し、再編の契機となった。同社取締役を経てパートナー(共同出資者)となるが、2007年退社。
2009年に創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社入社、取締役に就任。2011年代表取締役会長兼社長、2014年に代表取締役社長に就任し現在に至る。
2017年6月より、日本政府観光局の特別顧問に就任。
【今後の講演予定】
●2018年10月17日(水)18:00~19:30 うさ さん【絵本作家】
うささんは2011年10月、東日本大震災の被害の大きかった宮城県沿岸部に行き、ボランティアをする中であらためて被災者の方の悲しみや苦しみとともに、犠牲になったたくさんの命の中に様々な動物、植物の命があったことに気づかれました。家族同様の動物との別れ、悲しい思いをしている方々に出会う中で、動物たちと飼い主さんの心を、私たちが描く絵によってつなぐことができたら…と思ったとき、絵本作家・画家・イラストレーターによって、亡くなった動物たちを、絵の中によみがえらせる 「震災で消えた小さな命展」の開催を決めたそうです。その中での出会いをお話しいただきます。
※うささんの演劇劇団Sol.星の花

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