今回は東京教区聖典学習会をご紹介します 。現在は「聖典学習会リモート講座」として教区内はもとより教区外にも広く開催案内をしています。

 

 

 

聖典学習会とは 


東京教区聖典学習会の開催趣旨は「聖典の学習を通して、教師および寺族の教学研鑽をはかる」となっており、教師の基礎的な聖教学習の場として運営しています。教師研修として、受講中は参加教師の方へは間衣輪袈裟着用をお願いしています。なお、参加者の半分以上は熱心な一般聴講者で、教師の方でなくても参加可能となっています。スタッフは教区教化委員会の教師寺族の研修にかかわる研修部門の中の4名が同じく教区「秋安居」と共に運営しています。

 

2016年5月23日から2021年2月現在まで一楽真先生(大谷大学教授)に講師をお願いし、『正信偈に学ぶ』を講題として開催しています。過去には池田勇諦先生(同朋大学名誉教授)から『教行信証』について約7年にわたってご講義いただき、その講義録を『教行信証に学ぶ』(全9巻)として出版しています。

 

講義では、聞き違いや早合点を減らして丁寧な学習会となるように配慮しています。2014年から2015年にかけて開催された池田真先生の講座では、「聞法シート」と名付けた用紙を配布し、参加者一人ひとりが感想や質問を記入して提出していただき、それに講師がコメント記入して次回返却するという往復形式もとっていました。現在のリモートによる講義でも、チャットや、受講後のアンケート等でも質問をいただき、それをご講師にお伝えし、次の講義の中でお答えいただいています。

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大をうけて


これまでの聖典学習会は真宗会館にて偶数月の隔月(8月は一泊二日の研修会)で開催しておりました。しかし、2020年4月は新型コロナウイルス感染症の影響で、これまで通りの真宗会館内での受講は三密等の感染拡大予防の点から開催は中止といたしました。その間スタッフで協議を重ね、オンライン会議システム「Zoom」を使用しての講義の検討に至りました。6月の再開時は「特別講義」として、一楽先生より大谷大学研究室にて予め録画いただいた一時間の講義(新型コロナウイルス感染症拡大の中で教えをどういただくか)を配信し、その後質疑、座談の場を持ちました。8月の一泊二日の研修会も新型コロナウイルス感染症拡大の観点から中止し、Zoom開催でした。なお、8月からは京都のしんらん交流館(企画調整局)に撮影等の協力を要請しました。その後も10月、12月はスタッフが真宗会館に集まり、先生はしんらん交流館からの配信を行いましたが、二度目の緊急事態宣言により2021年2月はスタッフも司会進行、画面や音声の共有といった作業を自宅より行いました。

 

 

 

工夫していること


案内については今までは教区内のみ、としていましたが、今現在はリモート仕様のため、全国どこからでも参加できるため、しんらん交流館をはじめ、教区外にもご案内しています。

当日、開会前までの時間はZoomの画面共有機能を活用して、参加者への注意事項をあらかじめ表示してスムーズな進行に繋げています。

 

 

聖典学習会リモート講座 注意事項待ち受け1 

聖典学習会リモート講座 注意事項待ち受け2 

聖典学習会リモート講座 注意事項待ち受け3 

 

 

 

講義は講師の一楽先生と板書用のカメラを二台に分けて撮影。サブのPCを用意して配信事故を無くすよう心がけ、見やすい画像、ワイヤレスピンマイクを利用して聞きやすい音声での配信を目指しています。講義中は講師が参加者の反応を見ながらお話ができるよう、参加者には各自のビデオをオンにしたまま参加いただいています。

MicrosoftTeams-image (9)

モニターの上にあるのが講師を映すWEBカメラ

MicrosoftTeams-image (7)

板書を映すためのビデオカメラ(手前)

 

 

東京の事務局の様子

 

 

参加者の声


2020/6/24聖典学習会リモート講座 特別講座

・コロナによる生活の変化、人の生き方、お寺のありかたなど、今の状況を自分の経験したことを通して興味を持って聞くことができたので、あっという間に感じました。

・質問に対する分かりやすい言葉を使った回答や先生の柔らかな雰囲気もあり、ぜひまた話を聞きたいと思いました。

・本当に必要なことは何か、本当に急がねばならないことは何か、後生の一大事とは、人生の一大事なこととは、一番大切なこととは、講義により大きな問いをいただいた。

 

2020/8/24聖典学習会リモート講座

・一楽先生にはピンマイクが装着している様子でしたので、安定して聞きやすかった。

・勤行や司会は一つのマイクを共有している様子で、マイクの移動ができておらず、音声が入っていないことがあった。使用していたマイクが広い範囲を集音するようで、裏にいたスタッフの声が入ることがあった注意してほしいです。

・マイクの追加、各音量を調整する機器の導入で安定した音声放送ができると思うので今後検討をしてください。

 

2021/2/8聖典学習会リモート講座

・以前から往相回向還相回向と、自利利他の関係を聞きたいと思っていたところ、本日の講義で聞かせていただいて有難かったです。

・座談等の講師とのやり取りがない会が多い中、質疑応答が聞けて、僧伽を感じることができた。

・初めてZoomを使っての参加で、慣れずにもたもたしましたが、添付いただいた手引きが助かりました、今後ともよろしくお願いします。

 

以上、参加者の方より多くの声をお寄せいただいております。講義内容以外にも、配信についてのご意見もいただいており、そのご意見に対し少しでも改善するよう努力しております。

 

 

今後の取り組みについて


全体質疑・座談でだけでなく、Zoomのブレイクアウトルーム機能を活用した少人数での座談会が開けるよう、検討しています。

 

また、新型コロナウイルス感染症拡大が一旦収まった後の学習会についてもオンライン配信を続け、ハイブリット(会場・オンライン)による講義が主流となることに今から備えておきたいと考えております(介護や子育てにより真宗会館に来られない方々も視野に入れて)。

 

そして、スタッフ自身の学びについては配信のことだけに気を取られ、本来の「学び」が疎かにならないよう互いに確かめ合い、あくまでも聖教研鑽の場として聖典学習会を開催していきたいと思います。

 

 

(東京教務所)