餝金具の工程は、下絵をもとに銅などの金属板に図案を描き、金槌でたがねを打込み、直線・曲線・点・文様を打出して金属の表面を装飾していきます。そして、仕上げに鍍金ときん(メッキ加工)やうるし箔押はくおし等を表面に施します。

餝金具は銅板の平板の上に小さな打刻を1点ずつ打ち込んで作りられます。

錺金具は、銅などの金属を一本の(のみ)で連続的に打ち込んで(うちこんで)いく「蹴彫(けぼり)」、紋様を切り抜く「透彫(すかしぼり)」、そして立体的に仕上げる「打ち出し彫り」などの技法で作ります。

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中でも面白いのは魚々子打ち(ななこうち)と呼ばれる彫りです。

 魚々子とは、切っ先の刃が円形になった鏨を打ち込み、魚卵の粒のような形を連続させた技法で、主に図柄の入っていない部分に施されます。魚々子の大きさは様々ですが、細かいものになると直径0.1mmほどになります。

 この魚々子は、描かれた図柄を際立たせ、浮き出してより美しく見せるため余白のところに入れていきます。そして、一面に打ち付けることから魚々子を「蒔く」といわれます。

美しく整然と並んだ魚々子は、それ自体は主張していませんが、とても美しくかざられます。

協力:森本錺金具製作所(公式HPはこちら

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