2025年4月12日、大分県宇佐市にある東本願寺四日市別院(東別院)と本願寺四日市別院(西別院)を会場に、「四日市別院はなまつり」が開催されました。両別院は道を挟んで隣同士という立地ながら、今まではひとつの催しを一緒に企画するという機会はありませんでした。旧日豊教区仏教青年会の主催で長年続けられてきた「はなまつり」。宗派の慶讃事業として取り組まれてきた「四日市別院活性化プロジェクト」の一環で、昨年から両別院・仏教青年会・四日市商店街振興組合が協力し合う形で開かれています。
たくさんの人で賑わう両別院
当日は、東別院の本堂で直参門徒による紙芝居「ごんぎつね」の読み聞かせの後、西別院へ向けてパレードが行われました。冠をかぶった子どもたちが白象をひきながら四日市の町を練り歩きます。
西別院内では、マルシェの他、仏教青年会によるオリジナルボールペンづくり、天狗太鼓の演奏など催しが盛り沢山。
東別院内の念珠づくり、段ボール迷路、坊主カフェや昔遊びは以前から大人気のコーナーです。来られた方にお話を伺うと、「子どもに教えてもらって初めて別院に来ました。広い場所でたくさん遊べるイベントがあっていいですね」という声や、毎年家族と一緒に来ているという方からは、「以前スタッフとして関わっていたので、どんな催しをやっているのか気になります」という感想が聞かれました。本堂、境内は子どもたちの活気に溢れ、両別院を行き来するたくさんの人の姿がとても印象的な一日でした。
子どもたちを中心に置く「はなまつり」
昨年までは、本堂で行うワークショップや人気のキッチンカーのお店などには仏教青年会が直接呼びかけて企画をしていました。はなまつり実行委員会委員長の渡辺浩晃さんにお話を聞くと、「はなまつりをきっかけに別院に来てもらう」ことには繋がったものの、キッチンカー目当ての来場者も多かったのでなかなか本堂まで上がっていただけず、本来の目的であるお釈迦さまの誕生を祝うはなまつりを知ってもらうことには課題が残っていたそうです。「今回は、軸足をよりお寺に向けようと話し合いました。キッチンカーも魅力的ですが、テーマと違うねという声も多くあって。子どもたちを中心に置いた行事なので、これからも安心して遊びに来られる場所を作っていきたいです」と語られました。
東別院と西別院の本堂前で子どもたちによる灌仏
地域の方たちに寄っていただける場所にしたい
仏教青年会会長の小栗栖大地さんは、「昨年まではスタッフ不足に加えて、この規模でこれからも続けられるのかという心配がありました。今年は商店街の方に出店の募集を担っていただいたおかげで、各ブースに目が行き届きやすくなりました」と昨年から改善された点を教えてくれました。
四日市別院の山香遼さんによると、三者が揃う機会をつくるのも大変で直前まで打ち合わせが続いたそうです。来年以降も同じような規模の開催が期待される中、「今年から出店の出店料をいただく形になり、運営資金としながら今後も活動を続けていきたい」と語られました。
三者が形づくる「はなまつり」は今年で二回目。この共催をきっかけとして、「地域の方たちが寄っていただける場所、開かれた場所」を目指しながら今後とも地域と両別院が歩みをともにする形が願われています。
(九州教区通信員 相馬朋子)