滋賀県の北部、豊臣秀吉が築城した長浜城がある町に、長浜別院大通寺はある。
長浜別院がある京都教区長浜特区(旧長浜教区)では、昨年度に教区の改編が行われた。改編前は輪番を長浜教務所長が務めていたが、改編後は特区内の寺院の住職から選ばれ、曽我謙成輪番が就任することとなった。曽我輪番に当時について伺うと、「組長になったと思ったら、教区会議長に選出された。教団や教区の歴史、別院について曖昧な知識しかなく、どうしたらいいのか随分悩んだ。輪番就任の話も、自分でいいのかと戸惑った」と話された。
就任されてからの曽我輪番は、「みんなと一緒にすること」を大切にされているという。例えば、晨朝の次第をホワイトボードに掲示し、参拝者と一緒に勤行できるようにと同朋唱和にされた。参拝者もその思いを受けて各々声明集を準備している。付箋を貼ったりペンで行を追いながら勤行され、テンポの速い勤行に遅れずに声を出されていた。参拝者の数も少しずつ増えているそうである。また、報恩講の音楽法要でも、儀式中の三帰依文をパーリ語にし、導師の独唱に続いて参拝者が復唱する同朋唱和の形にされている。
勤行の場以外でも曽我輪番はみんなと一緒にされていることがある。長浜別院では、報恩講や夏中の法要の前に、直参門徒会や特区内の組などに担当いただいて、清掃奉仕が行われているが、曽我輪番も共に作業をされている。清掃奉仕について曽我輪番は、「特区内の寺院のご門徒にとって、別院は近くて遠い存在なのだと知った。しかし、寺の役職にあたったからと清掃奉仕のために別院にいらっしゃり、別院の様子や歴史を知って感動されている様子を見ると、嬉しく思う」と話された。
また、別院に意識を向けてもらえるような取り組みとして、今年の特区女性会(旧婦人会)では、清掃奉仕をはじめ輪番の法話・茶話会・諸殿拝観が行われた。参加者からは「別院のことをあまり知らなかったので、いろいろな話を聞けてとてもよかった」といった感想が多く聞かれたそうだ。さらに、この研修会に参加された方が「とてもいい経験だったので、自分の組でも行いたい」と思われ、組の女性会でも清掃奉仕を実施されたとのこと。別院との繋がりが広がりをみせている。
(京都教区通信員:藤 直子)
『真宗』2026年1月号「今月のお寺」より
ご紹介したお寺:長浜別院大通寺(輪番:曽我謙成)
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しております。































