お知らせ
- 2025年9月26日
- コラム
教勢調査データの示唆から取り組みを検討するワークショップ(第3回 全国寺院活性化支援室主任会議より)
◆ 全国の寺院活性化支援室
「寺院活性化支援室」には、本山に設置されている 「真宗教化センター寺院活性化支援室」 と、各教区に設けられている 「教区寺院活性化支援室」 があります。
※教区ごとに名称は異なり、今後設置予定の教区もあります。[教区の支援室一覧はこちら]
こうした本山と教区の支援室が連携し、情報を共有しながら新しい取り組みを生み出していくために、毎年1回 「全国寺院活性化支援室主任会議」 を開催しています。
その名のとおり、全国の教区支援室の主任や室長、スタッフ長などの関係者が集まります。(教区により役職名は異なります)
そして、寺院の今後を共に考える「対話の場」として、ワークショップ形式を中心に、出席者一人ひとりが主体的に意見を出し合う場を開いています。
◆ 第3回 全国寺院活性化支援室主任会議
先般、8月25日から26日にかけて 第3回 全国寺院活性化支援室主任会議 を開催しました。
今回のワークショップのテーマは、
「人口流動社会の中で寺院の活性化をどう考えるか? ~教勢調査のデータを基に教区での支援策を創造しよう~」
です。
このテーマは、第8回「教勢調査」の分析結果を教区の現場において、積極的に活用して欲しいとの願いで設定しました。
具体的には、教区のデータを活かしながら、教区に即した支援施策をどう描くかを探る内容となっています。
ただ、すべての教区を一度に扱うことは難しいため、今回は8つの教区を「モデル教区」として設定しました。
モデル教区:北海道教区・東北教区・東京教区・能登教区・福井教区・京都教区・大阪教区・山陽四国教区
これらのモデル教区の教勢調査データをまとめたワークブックを用意し、各参加者がそのデータを起点にワークに取り組みました。
◆ ワークショップの流れ(4ステップ)
全国会議でのワークを寺院にそのまま導入するのは難しいですが、少しアレンジを加えれば、自坊での取り組みを考えるために活用できます。
ワークブックに掲載のワークシート(A/B)を参考に、次の4ステップで取り組んでみてください。

STEP 1:調査データから課題と背景を深く掘り下げる
教勢調査の結果は、寺院の現状を示しています。社会状況の変化が如実に寺院環境へ影響を与えていることがわかります。まずは、数字(グラフ)の裏側にある背景・物語を探り、自坊の課題を明確にしましょう。
問い「データから気づくことは何でしょうか?」「その背景には何があるでしょうか?」
(ワークシートA)
STEP 2:未来像を自由に描く
現状や「できるかどうか」を一旦脇に置いて、望む寺院の未来像を描いてみます。寺院が地域社会の中でどのように存在していたいのか、課題を乗り越えた先の姿を想像してください。詳細にイメージできると、計画が具体的になります。
問い「5年後、自坊はどうなっていたらいいでしょうか?」「自坊の未来のために何を約束しますか?」
(ワークシートA)
STEP 3:アイデアを具体的な形にする
未来像に向けてどんなアイデアが考えられるかを検討します。自坊には、どんな強みがあるか、人・組織・地域との関係性や様々なリソース(資源)の視点から実行性の高いアイデアを検討します。仮に、「地域の交流拠点とする」という場合、開催するイベントの内容や協力者、予算規模などまで検討しましょう。
問い「自坊のどんな強みが活かせるでしょうか?」「誰に・何をすることが効果的でしょうか?」
(ワークシートA→B)
STEP 4:実行可能な「最初の一歩(ファーストステップ)」を計画する
最後に、複数アイデアがあれば、最も取り組みやすいアイデアを選び、「誰が」「何を」「いつまでに」「どのように」行うのかを明確にします。小さな一歩が、大きな変化を生む第一歩になります。
問い「最初に取り組むとしたら何から取り組むのがよいでしょうか?」「いつまでに、何を取り組みますか?」
(ワークシートB)
◆ データと物語をつなぐ
教勢調査のデータは、寺院の具体的な活動と直接関連づけるのは難しいかと思います。
しかし、人口動態や門徒世代の変化、地域社会の流れを受けて、寺院がどういう状況にあるのかを理解するうえで欠かせない指標です。宗門の実態を客観的に見るデータと、各寺院が持つ主観的な物語を結びつけることで、新たな教化活動を生むためのヒントが見つかるかもしれません。
◆ 「元気なお寺づくり講座」のご案内
寺院活性化支援室では、さらに具体的・実践的に寺院の活動計画を作成する 「元気なお寺づくり講座」 を展開しています。計画書作成に必要な5つの視点を学び、自坊ならではの計画立案をサポートする内容です。なかなか一人では取り組みが進まないこともあります。ぜひ、お仲間を誘って受講をご検討ください。

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