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被災地の子どもたちに向けて

「東本願寺保養プラン IN 北海道登別」 開催

 東日本大震災によって全国から寄せられた災害救援資金を使用して、放射能から福島の子どもたちを守るための「保養事業」が開催されました。

 今年、全国の各地においても、様々な形態での保養事業が実施されたが、宗派主催の保養事業では、福島県内の放射線量の高い地域に住む子どもたちで構成される団体を対象に募集をさせていただきました。

 開催期間は、福島県内の学校が夏休みとなる7月28日から8月26日までを、3期に分けて開催し、7団体175名(子ども134名)の参加がありました。

 保養期間中の日程は、参加団体ごとに計画いただいたため、子ども会やスポーツクラブの夏合宿など、それぞれの団体が内容を工夫するなかで実施されました。

 開催場所には、宗派の関係学校である北海道の登別大谷高等学校や北海道大谷室蘭高等学校の施設などが利用され、グラウンドでサッカーや野球をしたり、雨の日には教室を使って勉強をしたりしてすごしました。また、子ども会での参加団体では、登別周辺の観光施設を訪れるなど、北海道の大自然を満喫して過ごしました。

 初回の7月28日から8月5日の期間では、福島ユナイテッドFC、光覺寺子ども会、白菊子供会の3団体41名が参加し、8月5日から8月12日の期間では、会津サントスFC、成蹊高等学校女子バレー部の2団体93名の参加がありました。

 サッカーのクラブチームである、福島ユナイテッドFCと会津サントスFCでは、地元の室蘭地区サッカー協会の全面的な協力を得て、それぞれの期間において、室蘭市周辺のサッカークラブと、交流試合が実施されました。その中で、参加者の一人は「震災以降、屋外での活動時間が制限されたり、除染作業の終わった数少ないグラウンドが、順番待ちをしなければ使用できなかったりと、練習することすら難しかったです。今回は、プロの選手が使うような芝のグラウンドで、思いきりサッカーをしたのが、何より気持ちよかったです」と話してくれました。

 最終の8月18日から8月26日の期間では、二本松少年隊ベースボールクラブ、なかよしくらぶの2団体41名の参加がありました。子ども会の引率者からは「子どもたちが通う学校では、運動会や遠足などの行事が取りやめになったり、規模が縮小されたりしています。一番楽しいはずの子ども時代に、何も思い出が作ってあげられないのが、とても可哀相でした。今回のことは、何よりの思い出になったと思います」といった声も聞かれました。

 このたびの「保養事業」では、福島の子どもたちの姿を通して、私たち一人ひとりが、被災地の現状を聞くとともに、今、何をしなければならないのか、できるのかが問われることとなりました。真宗大谷派(東本願寺)では、子どもたちが様々な人たちとの交流を深めながら笑顔になることを願って、引き続いて「保養事業」に取り組む予定となっています。