富山教区第10組 永宗寺

設置寺院	富山教区第10組 永宗寺
所在地	富山県富山市

　今回は富山教区第10組永宗寺子ども会を訪問させていただきました。

　富山県の中央部から南東部にかけて位置する富山市。富山市の東側にそびえる立山連峰の雄大な姿は立派な絵を見るように素晴らしい景色です。

　今回の訪問先である永宗寺さまは、富山別院から車で10分ほどの所にある住宅地にありました。ここで月に一回（土曜日もしくは日曜日の午前9時から）永宗寺子ども会が開催されています。

　子ども会の主催者である住職さんがお寺に戻って来られたのは今から10年程前。当時住職であったお父さまが倒れたことでお寺に戻り、教区の人と話しているうちに、 お寺はお参りするところだけではなく、聞法会があったり子ども会があったりいろいろな活動がある。決して仏事を勤めるだけがお寺ではないという思いから、 お寺にご門徒さんや子どもたちが集まれる場所を作っていこうと思われたのが活動の原点だったそうです。また、子ども会を始めた頃、「絵本100冊プレゼント」に応募し当選したことと、 青少幼年センター準備室（当時）から送られてきた『ひとりからはじめる子ども会』の冊子を見たことが子ども会を始める手がかりとなったそうです。そして、2008年夏、 「まずは自分の子どものお友だちからお寺に集まってもらおう」という思いで永宗寺子ども会はスタートしました。

　訪問させていただいたのは、2011年2月27日（日）。この日集まった子どもたちは、上は小学校5年生から下は保育所の年少さんまでの15名。子どもたちは本堂にあるホワイトボードに今日の予定を書いています。9時30分。「今からお勤めします。」住職さんの声で子ども会は始まりました。みんなで正信偈をお勤めして「ちかいのことば」唱和した後、お友だち紹介がありました。このお友だち紹介とは、はじめて子ども会に参加した新しいお友だちを子ども会に誘った子どもがみんなに紹介するというものです。住職さんは、「みんなで仲良く一緒に遊びましょう。」と声をかけられました。そのあと、絵本『パパが宇宙をとってくれた』（作：ウルフ・スタルク・絵：エヴァ・エリクソン・訳：菱木晃子）を坊守さんが子どもたちに読み聞かせをされました。今回は坊守さんによる読み聞かせでしたが、ときには子どもたちによる読み聞かせを行っているそうです。読み聞かせ終了後は、本堂ですごろくをしたり、外でサッカーをしたり、折り紙を折ったりして自由に遊んでいました。

　一時間ほど経った頃、住職さんが本堂に七輪とお餅をもって来られました。本堂の中で遊んでいた子どもたち、外に出て遊んでいた子どもたち一斉に集まってきました。予定には書かれていなかったのですが、七輪でお餅を焼いてみんなでおいしくいただきました。

　来月は、3月末に開催されます。毎年、3月は卒業・入学・進級のシーズンなのでお祝いとして「ちらし寿司」を坊守さん中心に子どもたち、保護者の方と一緒に作るのだそうです。

　永宗寺の本堂には、「絵本100冊プレゼント」で贈呈された絵本はもちろんのこと、他にもたくさんの絵本が設置されています。その絵本は、絵本100冊プレゼントが当選した時に、住職さんがご門徒さんに「読まなくなった絵本をください。」と呼びかけたところ集まった絵本なのだそうです。住職さんは、「子ども会を始めてお寺が子どもたちにとって身近な場所になったかな」と言われます。また、「ご門徒さん全体が子ども会のことを応援してくださっている感じがします」と話されていたのが印象的でした。永宗寺子ども会は、ご門徒さんをはじめ、子ども会に参加させている保護者の皆さん、また近所の折り紙の先生、地域の方々とのつながりの中で成り立っているのだということをあらためて感じさせていただきました。