長浜教区第23組 真西寺
設置寺院 | 長浜教区第23組 真西寺 |
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所在地 | 滋賀県長浜市 |
2011年8月13日、長浜教区第23組真西寺(藤森了堅住職)において、夏休みの行事として開催されている「子どものお盆」の様子を取材しました。
陽もかげりはじめた夕方からの日程で、お伺いした時には夕暮れの町の静けさをよそに、お寺は早めに集合した子どもたちの歓声や、準備を進めるスタッフの活気で、
とても賑やかでした。
真西寺では毎週、日曜学校をされておられ90年程の歴史があるそうです。夏休みに入ると一週間程、近所で行われるラジオ体操の後に、正信偈のお勤めをされます。
この他にも季節ごとの行事や、子ども報恩講を勤めておられます。4月には新学期ということで歓迎の式をされます。はじめて参加する子どもには、
勤行本と念珠を入れる袋がプレゼントされ、お参りした時はいつでも使えるように、本堂に並べて掛けてあります。
「子どものお盆」は30年程前から続けておられ、お盆の期間中お寺に集うものです。今回は、小学校の低学年と日頃はクラブ活動などで参加が難しい高学年も参加をし、
合わせて30名程が集まりました。その中には帰省をしている子どもの飛び入り参加もありました。また日曜学校OB・OGの中学生がスタッフとして関わり、
当日の朝から小学校高学年の数名と協力し、食事作りや準備をします。
集合した子どもたちは、寝ころんで本を読んだり、輪になってカードゲームをしたり、外で走りまわったり、中学生が作業するのを眺めていたりと、
それぞれに過ごしながら、お寺の空間に自然に溶け込んでいます。本堂の前には、鉄棒・ブランコ・砂場が設置されていて、
無条件にここは子どもの居場所であるがことが見て取れます。
開会となると、遊んでいた子どもたちが一斉に本堂へ入ります。入口に立っている女子中学生が「靴は揃えてから上がってください」と呼びかけます。
揃える子どももいますが、全員が揃えて上がる訳ではありません。すると女子中学生が黙々と靴を並べはじめました。「大変ですね」と声をかけると
「一応はスタッフですから」と恥ずかしそうに応えてくれ、主体的な関わり方だと感じました。
坊守の藤森千春さんが中心になり全体の進行をされます。スタッフとしては中学生の外にも、五年生と六年生のお母さんの手伝いがあります。
進行係の合図で日程が段取りよく進むのは、経験が豊富だからという部分も大きいと思いますが、このようにご近所のお母さん方の協力があるのは
有り難いことだと思いました。
今年に限っては、日程中に地域の人権学習会も組み入れるという形でした。人権学習は絵本『ごめんね ともだち』(内田麟太郎作・降矢なな絵)を教材として、
パズルゲームの要素を取り入れながら学ぶものです。パズルは手作りで、あらかじめ絵本の場面を画用紙に書き写し、それを切り刻んだ八種類が用意されていました。
参加者を三つの班に分け、班の中を低学年チームと高学年チームにします。低学年には簡単な、高学年には難しいパズルが配られます。
さらに中学生チームと親チームには、文章が書かれた最も難しいものが配られました。
低学年と高学年が合同で行う場合のプログラムとして、どちらかに重心を置いた内容にするのか、同時に楽しめる内容ができるのか、
準備するうえで難しい問題となります。ここではパズルの難易度によって、学年差があっても一緒に取り組めるよう工夫されていました。
またゲーム中は進行係が見回りながら、大幅な時間差が生じないように気を配ります。少し手こずっているチームにはヒントを出しながら、
全てのチームが40分程でパズルを完成させました。
各班の図柄と内容を発表した後に、完成した図柄が絵本のどこの場面にでてくるのか、確認してくださいと興味を惹きつけ『ごめんね ともだち』の
読み聞かせがありました。そして「友達や人間関係において、お互いを認め合いながら、もしも自分が間違ったことをしたと気付いた時には、
素直に謝ることのできるようになって欲しい」と子どもたちに問いかけられました。
最後は、中学生チームと親チームが作ったパズルに書かれている文章の「言葉をつかえる人間は、たいへん便利に生活できるけど、使い方によっては、
たった一言で人を喜ばせたり、また泣かせたりします。一つのことばで泣かされて、一つのことばにおじぎする。一つのことばはそれぞれに、一つの心をもっている」を
みんなで朗読し、人として大事にしなければならないことの、まとめとされました。
これは取材を通して強く感じたことですが、お寺の集いでは違う世代がひとつの空間で、ひとつの事柄に取り組むということがあります。支え合ったり、
教え合ったりしながら、決して勝ち負けだけではないことがあると気付けるのだろうと思います。
各班の図柄と内容を発表した後に、完成した図柄が絵本のどこの場面にでてくるのか、確認してくださいと興味を惹きつけ『ごめんね ともだち』の
読み聞かせがありました。そして「友達や人間関係において、お互いを認め合いながら、もしも自分が間違ったことをしたと気付いた時には、
素直に謝ることのできるようになって欲しい」と子どもたちに問いかけられました。
最後は、中学生チームと親チームが作ったパズルに書かれている文章の「言葉をつかえる人間は、たいへん便利に生活できるけど、使い方によっては、
たった一言で人を喜ばせたり、また泣かせたりします。一つのことばで泣かされて、一つのことばにおじぎする。一つのことばはそれぞれに、一つの心をもっている」を
みんなで朗読し、人として大事にしなければならないことの、まとめとされました。
これは取材を通して強く感じたことですが、お寺の集いでは違う世代がひとつの空間で、ひとつの事柄に取り組むということがあります。
支え合ったり、教え合ったりしながら、決して勝ち負けだけではないことがあると気付けるのだろうと思います。