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長浜教区第24組「春のつどい」
「前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は前を訪え」
■蓮如上人との御縁が深い明楽寺本堂で
桜が満開近い春の陽気の中、ここ滋賀県の琵琶湖の北北東に位置する木之本町明楽寺(みょうらくじ)で、長浜教区第24組教化委員会青少年部主催「春のつどい -ほとけさまと お友だちになろうよ-」が、3月31日(土)開催されました。明楽寺は「蓮如上人腰掛説法石」が境内に現存し、5月初旬に吉崎御坊から東本願寺までの「御上洛蓮如上人御影道中」の際にも立ち寄られる程、蓮如上人と御縁が深いお寺です。この、念仏の歴史ある明楽寺を会場に子どもたちが集まり開催された子ども会、「春のつどい」の様子を、今回はご紹介します。
■子どもの導師でお勤めのあと、大学生の指導で化学実験
「わたしたちは、仏の子どもになります。」から始まる3つの「ちかい」のことばの唱和のあと、小学生2名による導師のもと、同朋奉讃式での「正信偈」のお勤めは、広い堂内に赤本を持つ子どもたちの大きな声が響きわたります。
明楽寺での今年の「春のつどい」は、未就学の子どもから小・中学生57名、大人30名が参加し、地元の「長浜バイオ大学」の「CELL部(※公式ブログサイトはコチラ)」の学生の指導説明のもと
①「茶色の水が透明に変わる実験」
②「透明な水が紺色に変わる実験」
③「スライムができる実験」
を楽しみました。
「CELL(セル)」とは細胞のことで、科学雑誌「CELL」に記載してもらうために発足した大学の自主クラブであるとのこと。現在10名のメンバーが、子供たちに「科学」や「化学」の楽しさを知ってもらおうと、年間50回以上にわたり、長浜市の小学校を中心に活動されています。
「子どもたち自身にやってもらうことを中心にしています」
「前に立ってわかりやすい説明をすることが、自分自身の勉強にもなっています」
と今回1人参加で奮闘された、指導説明者の鉢嶺聡史さんは話されます。今日も長浜教区第24組青少年部の依頼でお越しになったとのこと。
終了後も、
「自分の説明が通じたのかなー」と心配だったが、子どもたちの「ホンマや!」「すごい!」「色が変わった!」のおどろきの声で、「来てよかった、やってよかったと思います」
と、ほっとした様子でにこやかに話されていました。
子どもたちの感想も、
「学校の理科の時間にやったこともあるけど、なぜ色が変わるのかよく分からなかったが、鉢嶺さんの話でわかった」
「スライム作りは、学校でもやったことがなく、楽しかった」
「初めてやる実験ばかりで、珍しく楽しかった」など
目をキラキラさせながら話してくれたのが、印象的でした。
■「休止せざらしめん」長浜教区第24組教化委員会
「青少年部」
青少年部のこの「春のつどい」は年1回でありながらも、子どもたちに人気の事業のひとつ。昨年は、長浜別院(大通寺)への参拝のあと、近くの陶芸所で各自が作品作りを行ったそうです。仕上がった作品は、5月上旬に明楽寺に立ち寄られる蓮如上人御影道中に参加したときに、配られたそうです。
また、一昨年は、NPO法人「あそび環境Museum アフタフ・バ―バン」に依頼し、忍者に変身し木之本町大音(おおと)町内を走りまわり、楽しんだとのこと。あそび、表現活動を通じて共に遊び合い関わり合う中で1人1人が自分らしく表現することを目指すNPO法人だそうです(※公式HPはコチラ)。
このとき、子どもの参加者は40人程だったそうですが、スタッフは最低でも30人は必要でした。当初はスタッフ集めを心配したそうですが、かつての土曜・日曜学校を卒業した高校生や大学生を中心に、門徒、住職、坊守も入れ40名がスタッフとして参加してくれることになりありがたかったと、青少年部会幹事の円行寺坊守の禿里和さんはお話しくださいました。子どもたちが楽しい遊びの中で、自然にお寺に接する「つどい」を考えられているなぁと感じました。
「組長の熱い思い」
長浜教区第24組は、高月町西部、木之本町、余呉町の30ヶ寺で構成されていますが、組で日曜学校のつどいを開催して今年で37年目を迎えるそうです。そのときの子どもが、父親、母親となって、現在その子どもが日曜学校に参加しています。この「春のつどい」もかつての参加者である親の理解があるからこそ、毎年40名程参加者があると言えます。親から子へ念仏が引き継がれ、良いサイクルで今につながっています。
1980年(昭和55年)に創刊した組の広報誌は、現在でも年6回広報部会が発刊しています。最近、組のホームページも開設されました(※2017年11月20日記事参照)。合唱団「山河サンガ」も昨年結成され、現在55名の団員が仏歌の練習に励んでおられます。
また、昨年は、東本願寺企画調整局主催の「元気なお寺づくり講座」を、モデル組として受講しており、僧侶・門徒ともに「今何が問題か、何をすべきか」を何度も話合いを重ねておられるそうです。壮年メンバーによる「プロジェクト24」を中心に組織も定着してきておられるそうで、組長の來入寺住職の美濃部俊裕氏は、この長浜教区第24組についての取り組みを熱く語ってくださいました。
■取材を終えて
親鸞聖人が『教行信証』の最後に書かれている道綽禅師の『安楽集』より
「前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は先を訪え、連続無窮にして、願わくは休止せざらしめんと欲す」
この言葉を、子ども達からあらためて教えられ、そして、目の当たりにし、自分自身の在り方を振りかえる午後からの2時間でした。