浄土真宗と茶の湯は東本願寺を創立した教如上人よりご縁があり、江戸時代にはそれが民衆に広まりました。富山県では「バタバタ茶」といわれる茶の湯を、農作業の合間にしながら親鸞聖人の教えについて語り合い、人生を問い直したという歴史があります。
古くは、室町時代に「真宗本願寺第八世蓮如上人が文明4年(1472年)新川郡清水に堂宇を構え説法す」との記録があり、富山県朝日町びるだん地域ですでに飲まれていた黒茶を、説法に伴う供茶・酒飯茶に利用していたそうです。
昔は、「茶のみにござい」とお茶会をふるまわれる言葉が交わされ、バタバタ茶の香りが村中に漂っていたそうで、今でも、家族の月命日や、結婚、出産などのお祝いなど様々な集いの際に茶会を開催し、人と人とをつなぎ親睦を深める場として大切に受け継がれています。
バタバタ茶の名前の由来は、お茶を点てる時の音の響き。朝の慌ただしくバタバタしている時に点てることだからとか。