寺院活性化支援員を派遣して、お寺の現状や課題、要望をていねいにお聞きし、寺族と門徒と一緒に教化の取り組みを考える〝寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院教化支援”
真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要をお迎えする2022年度までの4年間、慶讃事業の重点教化施策の1つである寺院活性化の取り組みを推進してまいります。
寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院教化支援では、真宗の教えとの出遇いの場、寺院が共同して聞法の場を開く取り組みが推進されることを願い、地域連続法話会の開催に対しての助成を行っています。
組内有志によってひらかれた自主的な聞法会「竊以(せつい)の会」。この研修は今年で15年目を迎えました。
2023年6月7日 廣永寺 講題「阿弥陀経に学ぶ」
2023年6月8日 善宗寺 講題「阿弥陀経に学ぶ」
講師 廣瀬 惺 さん(大垣教区妙輪寺住職/元同朋大学教授)
2日間の開催で、のべ14名の寺族・門徒にご参加いただきました。
この研修会は今年で15年目を迎えました。
当初は、『教行信証』の総序・別序・後序の三序から始まりましたが、廣瀬先生は曽我量深先生の晩年、学生として直接お話をお聞きしておられたということであったので、曽我量深先生の『法蔵菩薩と阿弥陀仏』をテキストにする日を加えたりしながら続けられており、現在は『阿弥陀経』のお話をいただいているとのことです。。
15年の継続。
振り返れば、この年月の中で先輩方が亡くなられたり、また、ご門徒の中からもお話をお聞きしたいということで参加してくださる方が生まれたり、さらには、三条教区の慶讃法要のお待ち受け法要に廣瀬先生がお越しになられたことをご縁に、わざわざ新潟からも学びに来られた方もいらっしゃいました。
過疎地にあって、講師の先生にも遠隔地からお越しいただくことは、なにかと負担が多いことかと思いますが、こちらの熱意を汲み取ってくださりここまで続いてきたのだと思うと企画された方々は語られました。
海を隔てた島であるという立地
過疎地にあるがゆえに寺院護持運営の困難さを抱えている
廣瀬先生に学生としてご縁をいただいた方々もおられる
兼業ということでなかなか研修会に参加できない方もいる
参加者がしっかりと確定できない
必ず宿泊を伴うことになる(もちろん旅費も)
様々な事情が絡み合う中で、続けられない、場をつくるという一歩を踏み出せない、そのようなケースもある中で、寺院活性化支援室としても伴走する必要があると感じております。
【2023年6月7日】
初日、朝早く出立された廣瀬先生は新幹線と船を乗り継ぎ、午後には佐渡に入られました。そして、午後2時より「正信偈」同朋奉賛のおつとめの後、時間を惜しむように早速お話をいただきました。
本年は宗祖の慶讃法要が厳修されたことから、まずご自身の慶讃法要に対するお考えをお話くださり、立教開宗について宗祖の師である法然上人との関係に触れられ、「説浄土真宗」「聞浄土真宗」ということをお話下さいました。
改めて私たちが生涯聞くという生き方、いただくという姿勢が問われていることを学ばせていただき、予定の5時を過ぎましたが、静かに、しかし熱く語っていただきました。
懇親会へつづく
【2023年6月8日】
2日目は諸事情により、予定より早めの9時より開始でした。
参加予定であった方の事情により前日より人数は減りましたが、前日の懇親会の席で出てきた参加者の言葉について、廣瀬先生から丁寧なお話から法話会は始まりました。
このような会は確かに宿泊を伴う負担はあります。
しかしながら、懇親会を通して「寝食を共にする」ことによって、廣瀬先生ご自身が参加者の言葉に耳を傾けられ、そしてその言葉に対して翌日にご自身のお考えを語ってくださる先生の姿勢に触れることは、先生のお話がただ言葉というだけではなく、先生の生きる姿勢になっていることを身をもって教えてくださることになり、ますますこちらの姿勢が問われると参加者は感じていらっしゃったそうです。
『阿弥陀経』のお話は、次へ、次へと先に進むようなお話ではなく、その都度その都度先生の中から呼び起こされたことをいつも丁寧に教えて下さるとのこと。
【来年もお願いします】
本年はこの後、安居の御講師をおつとめになるお忙しい時期でしたが、快く佐渡にお越しいただいたことに改めて御礼申し上げます。
来年からも引き続きお話下さることを楽しみにしています。
主催されたみなさまからの廣瀬惺先生へのメッセージでした。