法語に込めた思い

「愛別離苦」という仏教の言葉があります。愛する人と別れる苦しみ。これは誰も避けることができません。苦というのは嫌なものです。しかし、その苦があるから私たちは尊さを知ることができます。そして苦も大事だと知ることで、それとともに歩んでいけるのではないでしょうか。卒業の季節に合わせ、別れの大切さを込めた言葉を絵とともに掲示しました。

掲示板に込めた思い

「できることなら親鸞聖人の言葉や先人たちの残した言葉に触れてほしい。でもそれだけを書いたら立ち止まってもらうのは難しい。だから、ここ数年、絵を描きはじめた」と、光永寺住職の正木慶彦さんは語る。文字の大きさや文量などを、通行人の反応を見て徐々に変えていき、立ち止まる人があまりいなかった掲示板に目を留める人が増えてきたそうだ。
「自分がたまたま通りかかった通行人だとすると、文字だけじゃ立ち止まらない。でも、絵が描いてあると不思議に思ってよく見てみようと思う日があるかもしれない。街中に広告が溢れる中で、目を留めてもらうというのはとてつもなくハードルが高い。お寺も時代に合わせて、掲示板に興味を持ってもらう工夫に努めないといけない」。
わかりやすく噛み砕いた言葉と目を引く絵を添えることによって、門徒さんだけでなく、門前を通るすべての人に教えを届けたいという願いが光永寺の掲示板に込められている。

(九州教区通信員 奥村 誓至)


『同朋新聞』 2024年月6号「お寺の掲示板」より

ご紹介したお寺:九州教区 長崎組 光永寺(住職 正木 慶彦)
※役職等は『同朋新聞』掲載時のまま記載しています。