2016年4月23日(土)岩手県大船渡市の大船渡市民文化会館リアスホールにて「3.11東日本大震災 心に刻む集い―おもかげに抱かれて―」が開催され、教学研究所の2名(「震災と原発」問題研究班)も参加しました。昨年まで仙台市青葉区の仙台国際センターを会場にしていた仙台教区(岩手県・宮城県・福島県)主催の「心に刻む集い」は、今年から同教区内の三県で会場を順に変えることとなり、初めての宮城県以外での開催でしたが、県内外から約800名が集まりました。

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法要の様子
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会場に集まった人々

 

 

 

 

 

 

第一部「心に刻む法要」は、金比呂正実行委員長(仙台教区長安寺)の挨拶によって開会し、法要が勤まりました。法要は、総勢20人の出仕があり、厳 かに勤まりました。その後、真宗大谷派ボランティア委員会委員長の五百井正浩氏(山陽教区玉龍寺)の法話がありました。五百井氏は、御聖教の言葉に依りな がら「一番の問題は、被災地以外の人々の関心が低下していることであり、それは私自身のことでもある」「復興とは建物や道路を整備し、都市機能を回復する だけで終わるのではない」と語り、阪神淡路大震災で自身が被災した体験談や、今なお復興したとは言えない状況におかれている阪神淡路大震災で被災した方の 言葉を紹介しつつ話されました。熱心に法話を聞く来場者の姿をとおして、あらためて復興とは何か、その意味について問いなおされました。

第二部「心に刻む唄」では、避難所生活を送る人たちのために歌による慰問活動をこれまでしてきた臼澤みさきさんの歌と、「盛岡さんさ好み」の皆さんの踊 り、そして「ソニド・デル・ビエント」の皆さんによる演奏によるコンサートが行われ、ある人は涙をうかべながら、またある人は手拍子をしながら聞きいって おられました。

約3時間の集いの後、来場者たちが明るい顔をして帰っていかれる姿が印象的でした。なお、来年の「心に刻む集い」は福島県で 開催が予定されています。福島県では原発の事故がありました。このことは、私たちにどのようなことを問いかけているのでしょうか。これからも教学研究所では、「震災と原発」問題をとおして、私たちが何を問われているのか尋ねていきたいと思います。

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臼澤みさきさん(中央右)、「盛岡さんさ好み」の皆さん(左右)、「ソニド・デル・ビエント」の皆さん(後)によるコンサート