活動報告

子ども会訪問

浄秀寺子ども会 -2012年度 絵本100冊プレゼント当選寺院- 【金沢教区第3下組】

住職と一緒にお勤めをする子どもたち

住職と一緒にお勤めをする子どもたち

 今回は、霊峰白山を源とする手取川に沿って拓かれた田園地帯、石川県能美郡川北町の浄秀寺さんをお訪ねしました。住職の藤原正寿さんと坊守の恵さんが中心となって開催している子ども会は、4月の花まつりから10月の子ども報恩講まで(8月は5日間)、毎月第1日曜日に行われています。

 

絵本の読み聞かせの様子

絵本の読み聞かせの様子

 毎月の子ども会は、ちかい(パーリ文)に始まり、正信偈のお勤め、絵本の読み聞かせ、遊びの時間という形です。お勤めの調声と鏧役は、正寿さんや恵さんと一緒に子どもたちが交代で勤めます。絵本の読み聞かせは、青少幼年センターが実施している「絵本100冊プレゼント」に当選されたことがきっかけで始められたそうです。子どもたちは当選をとても喜んでくれて、中でも小さい子はお母さんに「読んで!」とお願いするほどだったそうです。「今は、子ども達より私が喜んでいます」と恵さん。そんな恵さんの絵本の読み聞かせのうわさは町内に広まり、絵本を集めておられる方や近所の方がたくさんの絵本を寄贈してくださったそうです。本堂の角に置かれた絵本コーナーの蔵書は、今では188冊にまでなりました。そこにあるテーブルやソファーは、いつも子ども達であふれかえっています。

 

 子ども会の始まりは4月の花まつりです。春の永代経の法要とともに行われるので、子どもに限らず大人も参加できる素晴らしい機会となっています。本堂にはとても躍動感のある白象が置かれ、お釈迦様の一生が描かれた絵も展示されます。また、花御堂に持ち寄った花を献花し、甘茶をお釈迦様におかけする灌仏式も行われます。象・絵・花、そして手作りの装飾で彩られた光景は、まるでお釈迦様の誕生の喜びを本堂全体で表現しているかのように見えました。

 

夏の集いでのしゃぼん玉の様子

夏の集いでの巨大シャボン玉の様子

 浄秀寺子ども会の夏休みはイベントが盛りだくさんです。8月11日から15日までの5日間は、夏の集いが開かれます。3歳から6年生までたくさんの子どもたちが参加します。本堂で抹茶を飲んだり、境内で自分の背丈ほどの巨大シャボン玉づくりをしたり、かき氷を食べたりと、拝見した写真の子どもたちは、とびっきりの笑顔でした。この時のことを恵さんは「いろいろな力に差があることが、そのままで、受け入れられている時間は、とても優しいひとときでした。6年生と3歳の子が一緒に楽しく遊べたことを、覚えていて欲しいと思います」と浄秀寺さんの寺報『法爾』の中に書かれています。

 

 そして、毎年8月の終わりには金沢教区児童教化連盟主催の子ども奉仕団へ参加します。今年は「であい」をテーマに同朋会館で、違う地域から集まった多くのおともだちと生活しました。きっと、いつもの子ども会とは違った緊張感や楽しみがあったことでしょう。「飾ることをしない、可愛らしさも憎たらしさも、そのままで勝負してくる子どもたちに、問われ続けた夏でした。」と恵さんは振り返っておられました。

 

絵本コーナーに集う子どもたち

絵本コーナーに集う子どもたち

 4月の花まつりに始まり、夏休みは盛りだくさんのイベントや教区事業への参加。1年の締めくくりは、10月の子ども報恩講。このように流れを感じさせる1年であるというところが、浄秀寺子ども会の特徴であり、子どもたちを飽きさせない秘訣だと感じました。また、取材の際に質問をすると、恵さんではなく絵本コーナーに座っておられたお婆さんが「この子ども会はね…」と、事細かに答えてくださいました。お孫さんを引率してこられた方とお寺との距離の近さを感じた瞬間でした。きっとこの距離感が子どもたちとの距離感となって、子ども会に息づいているのだと思います。子どもたちだけの場所ではなく、家族と一緒に参加できるあたたかな雰囲気のとても素敵な子ども会でした。