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2016年1月13日(水)~28日(木)、しんらん交流館では「報道写真家 大瀬二郎展」を開催しています。初日の1月13日14時~14時30分、大瀬二郎さんご本人が来館され、写真の解説を行うワークショップを開催しました。

写真は全40点、撮影した国は

アフリカ・・・ガボン、コンゴ共和国、スーダン、南スーダン、ウガンダ、ルワンダ、エチオピア

中東・・・シリア、レバノン、ヨルダン、イラク、イエメン

「世界には、生まれた頃から平和を知らない子どもたちがいる。子どもの頃に虐殺を見ている。少年兵として強制動員され、訓練を受け戦地に向かわされる。銃が日常で家庭にある。民族紛争で難民として追われる。」

「そして、紛争が終結して少年兵を解かれても、いわゆる子どもには戻ることが難しい。なぜなら、子どもらしく遊ぶ機会がなかったから。しばらくしてまた紛争が起き、少年兵に戻っていかざるおえないことがある。」

「難民となってしまい、助かるために隣国に密航船で渡りたい。渡航のためには多額のお金をエージェントに渡さなくてはならない。いざ乗ってみるとボートでぎゅうぎゅう詰めにさせられる。航海でボートが危ない状況になったら、密航者同士が助かるために海に蹴落としたりする。いざ目的の国についても、生きていけるか分からない。」

民族、宗教、政治、先進国の都合などにより、もともと国がなかったところに国が生まれ、独裁者が現れ国を統治し、独裁に反対し民主化の風が吹き選挙を行い政治が行われる、しかしながら政権が崩壊していく、そして国の混乱が治まらない・・・このようなことはアフリカの各地にある。人口増大による食糧難、貧富拡大、石油を巡った先進国の介入、水不足、地球温暖化による干ばつ。医療機関の発達が遅れ、日本ではすぐ治療できるような病気が治療できない。そして、紛争地で採取される鉱物資源などに支えられる豊かな私たちの社会。

「カメラのレンズを通してその現実を伝えることによって、わずかでも彼らの生活環境の改善に貢献できれば。」と語られました。

ワークショップ参加者からは、「どのようにこのような現場の写真を撮っていくのか?」、「カラーとモノクロの写真があるが、なぜか?」など質問がされました。

大瀬さんは、「最初は写真は撮りません。そこで生活している方々といろいろお話しし、状況を理解します。そして、ともに過ごす中でシャッターを押します。最初から、大きなカメラを構えられたらびっくりされますし、撮影するなって言われると思いますから。もちろん、時間が経っても撮影するなって言われることもありますよ。その時は撮りません。」

また、「カラーとモノクロがあるのは、やはり写真を撮る中で見てもらいたい部分を強調するためです。カラーでは、風景・色彩がはっきりします。特に被写体が少ないときに用いています。」

「モノクロは、人の表情や視線がはっきりします。カラーだと色によってみて欲しいところが強調されないこともありますからね。」と答えられました。

「報道写真家 大瀬二郎写真展」には、外国人観光客の方も多数立ち寄られております。

東本願寺参拝の際には、是非、しんらん交流館にお立ち寄りください。

<大瀬二郎プロフィール>

1968年、大阪府生まれ。アメリカの新聞社でフォトグラファーとして勤務後、2005年にフリーに。第二次世界大戦以上の死者を出し続けるコンゴ内戦、イラク戦争などを取材。2009年、コンゴでの取材をまとめた「アフリカ大戦の亡霊」で第1回田原総一郎ノンフィクション活字部門佳作受賞。現在はウガンダ在住。

大瀬二郎さんHP http://www.jiroose.com

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