無数の親が繋いできた親が子を抱きしめる“オモイ“。
そのリレーが現代において危機に瀕していると強く感じ、東日本大震災以降、その姿を描いていきたいと「ダキシメルオモイプロジェクト」を立ち上げ活動される小林憲明さんの作品「ダキシメルオモイ」を展示します。
一枚の作品を製作するために抱っこしている写真を300枚近く撮影するそうです。そしてお話を聞いていきます。お話と写真とイメージを重ね合わせて一つの作品を作り上げます。
「親が子を抱きしめる姿」
その作品に引き寄せられるように展示作業の小林さんにひっきりなしに声をかけて来られていました。
小林さんは語られます。
「僕らも、親も、そのまた親も太古の昔から抱きしめられて育ってきました。子を守る強いオモイは、僕らのなかのどこそこか密かにすり込まれ、抱きしめられた記憶が残ってなくても、受け止めて欲しい、抱きしめられたい無意識に求めてしまうようです。子を抱きしめ、抱きかかえられる時期は限られています。それは子育ての一番大変で一番充実している時期でもあります。その貴重な時間を切りとって描いていきたい。この先の未来にこの繰り返される営みが途切れないよう紡いで生きたいと思います。」
今回の展示では、福島から自主避難された方の「自主避難者のオモイ」、フランス各地での巡回展、お寺で行われた展示をパネルで紹介しています。是非ご来館ください。
作者 小林憲明
1974年新潟県生まれ。15歳の時、レンブラントの絵画に憧れ絵の道に。現在、愛知県渥美半島で二児の父親をしながら活動中。東日本大震災以降、福島県の親子を始めとする全国各地の親子と直接会い、親が子を抱きしめる姿にオモイを込めて描き伝える「ダキシメルオモイプロジェクト」を始動。1,000組の家族を描くことを目指し活動している。2014年3月、フランス各地にて巡回展を開催。2015年2月4日から3月25日参拝接待所ギャラリーにて「ダキシメルオモイ」展開催。
1 期 間 2016年2月8日(月)から3月14日(月)
※観覧時間は9時から19時まで