5月6日早朝に滋賀県木之本にある明樂寺様を出発し、林様宅、片桐様宅に御立ち寄り。両宅ともに、お宅の外までお参り方が溢れ、御影のお着きを今か今かと待ちわびておられました。御影道中御休息所の石柱には『毎年5月6日』と。この日、各所にある石柱は、ほとんど同様に5月6日と刻まれていました。近世、社会情勢の変化の激流にあって、変わらぬ5月6日の御影道中に対する思いがひしひしと伝わってまいりました。
滋賀県北部の湖北の地で長年主要道路として欠かせない国道8号線を中心に南に歩み、真願寺様、運徳寺様に御立ち寄り。だんだんと雨の気配してくる中、国道から一歩在所に入ると、初夏の草花の香りと、在所を流れる清流の音。一時間近く前から本堂で装束をお着けになり静かにお待ち受けされている真願寺御住職のお背中、御着きの前に地域の老人会とともに聞法し皆さんとともにお待ち受けされている運徳寺御住職。御影道中の様々な風景がありました。
御影道中は、本日の昼食の会所ともなる念慶寺様に御着き。供奉人さんに昼食を運ばれ「今年も楽しみにしておりました」との一言に、昼食をお世話された坊守さんとご門徒の皆様の笑顔は一層明るくなり、お料理にさらなる味付けがなされます。食事をとられた方々から「おかわり」や「これ以上食べると・・」との声とともに境内に笑顔が満ち満ちていました。
雨が本降りとなってきました。5月6日の道中で多くの方から「高田(慶善寺様在所名)は、国道8号線沿いに御影道中の石碑がある」とお聞きしていました、慶善寺様にご到着。そして、准願様では御住職さんが御和讃と御文のコピーを参拝者一同にご用意され、皆さんで同朋唱和。一段と雨風が強くなるなか、五日会(五村別院聞法会)でお待ち受けされていた五村別院へ到着。本当に多くの方の「南無阿弥陀仏」のお念仏にお見送りいただきました。
夕刻にようやく本日の宿所である長善寺様に御着き。勤行、法話の後、あらためて午後7時30分からの御初夜が勤められます。よく見ると、吉崎別院での御忌法要にお参りにこられていた方、別日の御影道中の際にお見かけした方々がおられ、さらに御住職は4月18日に琵琶湖の対岸にある御影道中の宿所であった最勝寺様にお参りに来ておられました。地域の方はじめ、そういった方々とともに、満堂の長善寺様本堂で『正信偈』のお勤めをいたしました。
ここ長善寺様と翌日の中川様両宅と、滋賀県長浜市(旧びわ町)の曽根という在所内の半径100m内に3会所あります。これにはこの地での御影道中がどうしてか大雨であることに由来すると、まことしやかに囁かれているとのこと。今年も、伝承どおりでありました。
■明樂寺(滋賀県長浜市)
■真願寺(滋賀県長浜市)
■運德寺(滋賀県長浜市)
■念慶寺(滋賀県長浜市) 昼食会所
■慶善寺(滋賀県長浜市)
■准願寺(滋賀県長浜市)
■五村別院(滋賀県長浜市)
■長善寺(滋賀県長浜市) 宿泊所