5月17日(火)、しんらん交流館2階大谷ホールに山梨県都留市立都留第一中学校の3年生87名が来られ、難波教行氏(教学研究所助手)による講話が行われました。
今回の講話は同校の修学旅行の一環として行われました。生徒さんには、長い歴史を持つ京都ならではの寺社仏閣をただ文物としてだけ見るのではなく、実際にそこに関わり生きた人の姿を感じてほしいという願いがかけられていました。そこで、願いを伝えることのできる人を探していた学年主任の三枝先生が、ジストニアという病気を患った難波氏の歩みを取り上げたテレビ番組を偶然ご覧になり「この人の話を聞いてみたい」と感じられ実現に至りました。
講話では、自身の病気についての説明や、学校生活・受験で苦労したこと、手術を決心し現在に至るまでのことなどをとおして、自身を支えている足もとの関係性に目を向けることの大切さが話されました。講話の最後に難波氏は
「健康であること、たとえ病気になっても薬があること、私たちは日常の中でつい当たり前だと思ってしまいます。そうすると、自分の思い通りならないことに対して不満がつのり、自分を支えてくれているものについてはあまり考えられなくなってしまいます。しかし、私を支えてくれる人やものに気付くことはとても大切です。自分を支えてくれることに目を向けることで、改めて自分が本当にどうありたいか考えていくことができます。東本願寺にお参りに来たことが、今回京都・奈良の人と出あうだけでなく、家族や学校の先生、友人など今すでに自分を支えてくれている身近な人と改めて出あい直す機会になれば嬉しく思います。」
と生徒さんに語りました。講話を聴いた生徒さんからは
「私も今日のお話を聞いて、当たり前のことが実は当たり前でないことや、理想ばかりを追い求めるのではなく、今、自分を支えてくれていることに感謝をして、自分にとって本当に大切なものは何かと常に問いかけながら生活していきたいと思いました。私は今までジストニアという病気のことは知りませんでしたが、これからはそういった方を見かけたら、率先して助けになりたいと思いました。」
と感想を頂きました。
また、後日三枝先生から、
一日京都市内をめぐり、多くの出会いを重ねてきた生徒たちでしたが、その日最後に伺ったお話は、健康があたりまえと感じて過ごす生徒たちにとって、多くの驚きと発見を促すものであったと思います。実際の生徒たちの言葉の中にも、「京都市内を見学していろいろ本当に感動したが、難波さんのお話が一番感動した」との感想がありました。これからの人生に船出しようとする生徒たちは、今回の経験を自らの生きる力に変え、前進していってくれるものと思います。
とお手紙をいただきました。
しんらん交流館にとっても、修学旅行の生徒さんと出あう貴重な場となりました。