「高木顕明師を想う集い・遠松忌法要」勤修
前(さき)を訪(とぶら)う ―今、この時代に聞く非戦・平等の願い
6月18日、和歌山県新宮市の淨泉寺(大阪教区23組)において、「遠松忌法要」が「前を訪う ―今、この時代に聞く非戦・平等の願い」をテーマに勤修され、約160名の方が参拝しました。この法要は、「大逆事件」に連座したとして宗門から処分、追放された高木顕明師の復権を機に、師の非戦・平和・平等の願いを顕彰する集いとして2000年から毎年勤められています。
午前中、法要に先立ち、新宮市内の南谷墓地にある高木顕明顕彰碑前で勤行が行われた後、淨泉寺本堂で法要が勤められました。法要では木越渉解放運動推進本部長より表白が読みあげられ、正信偈による勤行と、顕明師の著述『余が社会主義』が朗読されました。
その後、「前を訪う ―非戦を生きた僧侶たち―」の講題のもと、山内小夜子解放運動推進本部本部委員による法話が行われました。山内氏は『余が社会主義』の言葉を確かめながら、「今年は顕明師の復権から20年。日本が戦争に突き進む中、徹底した非戦論を唱えた顕明師の生き方は、互いを分断しあう生存競争ではなく、共に生きあえる社会を築いてほしいという私たちへの呼びかけだ」と訴えました。
本堂内では、顕明師をはじめ、新宮・熊野において大逆事件に連座したとされる人々の事績を紹介したパネルや、師自作の俳句や遺品などが展示され、多くの参拝者が足を運び展示に見入っていました。
法要終了後は、境内で交流会が行われ、毎年恒例となっている淨泉寺婦人会による手作りの「めはり寿司」などが振る舞われました。参拝者それぞれが顕明師への思いを語り合う場となりました。
また、真宗本廟参拝接待所ギャラリーでは、この法要にあわせて、ギャラリー展「非戦と平等の源流を訪ねて」を6月16日から7月20日まで開催しています。こちらもどうぞご覧ください。