「しんらん交流館 公開講演会」は、「生・老・病・死」の問いを現場で考え、表現している様々な分野の方を講師に迎え開催しています。
このたび、2018年3月18日にお迎えしたフォトジャーナリスト 広河隆一氏の動画配信を突然停止しましたことについて、宗務総長のコメントを掲載いたしました。
親鸞聖人の教えに立ち返り、引き続きこのたびのことを受け止め、確かめる歩みを進めてまいります。
しんらん交流館ホームページ第33回しんらん交流館公開講演会
講演動画の配信停止について(お詫び)
当派では、しんらん交流館ホームページに掲載していた、第33回しんらん交流館公開講演会における広河隆一氏の講演『福島とチェルノブイリ‐写真が教える私たちの課題‐』(2018年3月22日講演、同年4月11日配信開始)の動画を2020年5月7日に配信停止といたしました。
これは、2018年12月に報道された広河隆一氏による「セクシャルハラスメント・パワーハラスメント問題」に起因するもので、視聴者からのメールによる指摘を受け、被害を訴えた方々の心情と立場を考慮して判断をしたものであります。
ただし、その際、視聴者からの指摘に対して応答をしないまま、また停止の理由や問題の受け止めも表明しないまま、動画の配信停止に至っておりました。
ここに、報道後の対応が遅れ、被害を訴えた方々や関係者への配慮に欠けていたこと、そして視聴者からの声との向き合い方に問題があったことを深くお詫び申し上げます。
今後は、視聴者の声に改めて真摯に向き合い、しんらん交流館の使命を再確認しつつ、歩みを進めてまいる所存でございます。
【ハラスメント問題の受け止め】
ハラスメントの問題は、当派におきましても当事者として受け止めなければならない深刻な問題です。私たちは誰もが、弱さや他者との比較による劣等感をもっておりますが、その弱さを認められず、弱い自分が露わとなることに怯えるがために、自らの力をたのみ、結果として、支配・被支配という関係に陥ってしまいます。
このような私たちを、自力の迷心から救おうと誓われたのが、阿弥陀如来の本願です。私たちは、本願に目覚め、自らを罪悪深重の存在として自覚することが待たれているのであり、その目覚めによって、共に怯えから解放され、弱いままに安心して生きていくことのできる道が開かれると、親鸞聖人より教え示されております。その教えを、あらためて聞き開かねばならないと受け止めております。
人間救済の課題が理に終わることなく、一つひとつの事柄に丁寧に向き合うことを通して取り組まれるべきであると、今回の問題から知らされました。このたび、動画配信の停止に際し、ハラスメント問題の受け止めを真宗の教えに尋ねつつ表明すべきところ、説明が欠けておりましたことを重ねてお詫び申し上げます。
2020年8月6日
宗務総長 但 馬 弘
目次
- 1
- 2 「ジャーナリストであるまえに、ひとりの人間として」
- 2.0.1 目の前で起こっている悲劇にフォトジャーナリストしてではなく、ひとりの人間として何ができるか。もちろんそれはフォトジャーナリストは無力であると言っていわけではありません。伝えるということは非常に重要な仕事だと思います。しかし、目の前で人が溺れていたら、それを写真に収める前にカメラを置いてでもその人を助けなければいけないというのが、彼の信条なのだそうです。
- 2.0.2 「広河隆一・人間の戦場」より
- 2.0.3 「生・老・病・死」の問いを現場で考え、表現している様々な分野の方を講師に迎え、現代のすがたをみつめる「しんらん交流館 公開講演会」。3月は、フォトジャーナリスト 広河隆一さんをお迎えします!ぜひ、お越しください!
「ジャーナリストであるまえに、ひとりの人間として」
目の前で起こっている悲劇にフォトジャーナリストしてではなく、ひとりの人間として何ができるか。もちろんそれはフォトジャーナリストは無力であると言っていわけではありません。伝えるということは非常に重要な仕事だと思います。しかし、目の前で人が溺れていたら、それを写真に収める前にカメラを置いてでもその人を助けなければいけないというのが、彼の信条なのだそうです。
「広河隆一・人間の戦場」より
「生・老・病・死」の問いを現場で考え、表現している様々な分野の方を講師に迎え、現代のすがたをみつめる「しんらん交流館 公開講演会」。3月は、フォトジャーナリスト 広河隆一さんをお迎えします!ぜひ、お越しください!
●開催日時 2018年3月22日(木)18:00~19:30
●講 師 広河 隆一さん(フォトジャーナリスト)
●講 題 『福島とチェルノブイリ』-写真が教える私たちの課題
●聴 講 料 500円
※1階京都ホテルオークラ・オリゾンテのソフトドリンク 1杯無料券付です。講演の始まる前に、美味しいコーヒー・紅茶をどうぞ(当日から4月末日まで有効です)
●そ の 他 事前申込み不要です。公共交通機関をご利用ください。
広河隆一(ひろかわ・りゅういち)
フォトジャーナリスト 、月刊誌「DAYS JAPAN」発行人、DAYS被災児童支援募金代表、認定NPO法人「沖縄・球美の里」名誉理事長 、チェルノブイリ子ども基金設立代表、パレスチナの子どもの里親運動設立代表・現顧問
1943年中国・天津市に生まれる。3歳のときに日本に引き揚げる。67年、早稲田大学を卒業後イスラエルに渡る。帰国後フォトジャーナリストとしてレバノンなど中東諸国を何度も取材し、レバノン戦争とパレスチナ・キャンプ虐殺事件の記録で82年によみうり写真大賞、83年にIOJ国際報道写真コンテストの大賞・金賞を受賞。チェルノブイリの被災地、ウラルの核惨事現場などは、世界に先駆けて報道。講談社版の「DAYS JAPAN」の核被害報告で89年講談社出版文化賞を受賞。90年、湾岸戦争の取材を開始。その後もパレスチナ問題、チェルノブイリ問題を追い、9・11事件の後はアフガニスタン戦争、イラク戦争を取材。2004年に講談社時代の昔の仲間と報道写真月刊誌「DAYS JAPAN」を再刊し、編集長を務める。3・11後は震災翌日から福島県に入り、取材を開始。同時にDAYS放射能測定器支援募金、DAYS被災児童支援募金をたち上げる。12年に福島の子どもの保養施設として沖縄県久米島に認定NPO法人「沖縄・球美の里」設立。14年に「DAYS JAPAN」編集長を退任、発行人兼フォトジャーナリストになり現在も取材活動、救援活動を続ける。
著書に「新版パレスチナ」(岩波新書)、「福島 原発と人びと」(小学館)、「チェルノブイリ消えた458の村」「写真記録パレスチナ」(以上日本図書センター)、「暴走する原発—チェルノブイリから福島へ」(小学館)、「新・人間の戦場」「帰還の坑道」(以上DAYS JAPAN)など多数。ドキュメンタリー映画「広河隆一・人間の戦場」が2015年12月全国公開。
【メッセージ】
福島の原発事故から7年が経ちました。オリンピックムードに隠 れて、事故のことを忘れる動きが強くなっています。
でも、あの事故は、まだ終わっていません。そして私たちは次の事故に対してどう備えるべきかを考えるべきだと思うのです。日本では毎日のように地震が多発し、近く巨大地震が襲うというニュースが出ているのですから。
その為にも今、チェルノブイリと福島の原発事故から、何を教訓 として学ぶべきか考える必要があると思うのです。
●2018年4月12日(木)18:00~20:00 浜 矩子【経済学者】
講題「グローバル経済のとおりゃんせ~帰りが怖い低温経済~」
●2018年5月23日(水)18:00~19:30 遠藤六朗【びわこ学園大学教員】
『この子らを世の光に』
戦後の混乱期…社会福祉がまだ人々の関心事でなかった時代から、常に利用者の立場に身を置いて「実践し、未熟だった日本の福祉制度に息吹を吹き込んだ、糸賀一雄さんについての講演。
●2018年6月21日(木)18:00~19:30 児玉真美【フリーライター】
重い障がいを持つ子どもを育てる中で、「アシュリー事件」を知り、大きな衝撃を受ける。
相模原障がい者殺傷事件からもうすぐ2年。いのち(尊厳死・安楽死・延命治療等)について学える。