食卓はその場にいない者とのつながりを確認する場だと思います。その場にいない者は、たまたまくることができなかった人かもしれないし、亡くなった母親かもしれない・・・。その不在な者を味わう場所というのも食卓の機能ですよね。
生老病死の問いを様々な現場で考え、表現している方を講師に迎え、「老病死」を抱える身として生まれた私たちの存在とはどういうものなのか、そのことをともに考える「しんらん交流館公開講演会」。
このたびは、歴史学の視点から「食」や「農業」について研究している藤原 辰史さん(ふじはら たつし・京都大学人文科学研究所准教授)をお迎えします。
「迅速・即効・決断の社会」
効率や即効性が重視されることで、関係性の中で生きていることが見えにくくなっている。その即効性を重視することで、世の中は一見、便利になった。その一方で、感性の麻痺をもたらしているとも言える。
それに、即断・即決では豊かな関係性は生まれにくい。ゆっくり相手の話を聞きながら自分の会話をしたり、相手の反応を見ながら行動したりしていると、アドリブが生まれる。相手に合せてアドリブが出るという即興は、聞く力が必要。
周りの風景がちゃんと見えるくらいのスピードで、自然とも人間とも向き合っていけるような仕組みをつくっていけたらと語られる藤原さん。
是非、ご来館ください。
●開催日時 2018年12月19日(水)18:00~19:30
●講 師 藤原 辰史さん【京都大学人文科学研究所准教授】
●講 題 ほどきの思想―「食べること」と「老いること」
●聴 講 料 500円
※1階京都ホテルオークラ・オリゾンテのソフトドリンク1杯無料券付です。講演会のはじまる前に、美味しいコーヒー・紅茶をどうぞ(当日から1月末日まで有効です)
●そ の 他 事前申込み不要です。公共交通機関をご利用ください。
【プロフィール】
藤原 辰史さん【京都大学人文科学研究所准教授】
1976(昭和51)年北海道に生まれ、島根県で育つ。
1999年京都大学総合人間学部卒業。
2002年京都大学人間・環境学研究科中途退学。
京都大学人文科学研究所助手、東京大学農学生命科学研究科講師を経て、
2013年4月より、京都大学人文科学研究所准教授 専攻・農業史・現代史。
【著書】
『ナチスのキッチン』(共和国)、『カブラの冬』(人文書院)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『戦争と農業』(集英社インターナショナル新書)、『トラクターの世界史』(中公新書)、『給食の歴史』(岩波新書、11月刊行)など。
【今後の予定】
2019年1月23日(水)18:00~19:30
上野正子さん(星塚敬愛園自治会副会長)×ドリアン助川さん(作家)
2019年2月4日(月)18:00~19:30
岩田健三郎さん(画家)
2019年3月20日(水)18:00~19:30
谷口真由美さん(憲法学者)
2019年4月
調整中
2019年5月10日(金)18:30~20:10、11日(土)14:00~15:40
演劇 「釈迦内柩唄」
2019年6月13日(木)18:00~19:30
小川真吾(NPO法人 テラルネッサンス理事長)