■「元気なお寺づくり講座 in 真宗本廟」を開催
2020年7月17日、「元気なお寺づくり講座 in 真宗本廟」の最終回を開催しました。会場はしんらん交流館です。
講師となる支援員が教区・組・寺院の現場に出向いて開く「元気なお寺づくり講座」ですが、今回は、教区・組などの地域を越えて集まれることを念頭に、真宗本廟(東本願寺)でも開催することとしました。
本山と距離がある地域の寺院の方にとって、上山する回数が負担にならないよう全3回の日程に組み直しての開催です。
講師は寺院活性化支援員で大阪教区駐在教導の王来王家純也氏が担当しました。
第1回は2020年1月14日、第2回は2020年2月7日に開催し、寺業計画書®の作成に必要な要素を講義とワークショップを通して学び、各寺院が計画書の作成に取り組まれました。
■迎えた最終回は「寺業計画書®」の発表
当初、最終回の第3回「寺業計画書®発表」は2020年4月10日の実施を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症が拡大し、緊急事態宣言が発せられる中、最終回の開催は延期とせざるをえないことでした。
その後、緊急事態宣言は解除されたものの、予断を許さない状況が続いております。
今回、参加寺院数が3ヵ寺と少数であること、いずれも京都教区は京都市内で本山周辺の寺院であること、新しい生活様式に則り十分な対策を施して行うという前提のもと、参加寺院に不安感などを尋ねながら開催に至ったことでした。
実際には、1ヵ寺に急用ができ、参加できたのは2ヵ寺となりましたが、不参加となった1ヵ寺には直前に発表内容を撮影した動画を準備いただくことが出来、当日上映する形で3ヵ寺の計画内容を共有できました。
発表後は、質疑の時間となりますが、動画で発表された寺院へは、参加者一人ひとりに感想や意見を用紙に記入していただき、お返しすることとなりました。
■著しい環境変化の中で取り組みを始める
社会やお寺の周辺環境も新型コロナウイルス感染症の影響により、状況が一変し、寺業計画書®の内容に記されたことがそのまま実施できるという状況ではなくなってしまいました。
先行きが見えない中、計画内容の修正もなかなか手をつけられずに発表を迎えたこともあり、「このまま発表してもどうなるのだろう、仕方がないのではないか」という不安の声もありましたが、最後には「寺報やパンフレット、SNSの活用などはコロナ禍でもできそうなものもあると思った。少し元気をもらったと思う。」といった声が聞けました。
その他にも、
「せっかく共通の場がもてたので、その後どうですかという会ができたらいい」(住職)、「気持ちを共有して進めたい」(門徒)、「住職も悩んでいるなら、それも大事やと。住職だけが背負うのでなく、みんなで共有しないとだめだと思った。」(門徒)といった心強い言葉も聞けました。
策定された計画内容は1ヵ寺1ヵ寺異なるものですが、その中で「お寺の修繕計画」を記載された寺院がありました。住職としては、瓦等の老朽化も進み、お寺の今後をどうするかに悩まれていたそうですが、今回、ご門徒からの提案で修繕する計画を考えられたとのことでした。
■共創で支え合う関係へ
寺院活性化支援室の取り組みは、僧侶と門徒、地域の人と「共創(=共に創る)」視点でお寺の活動が生まれることを大切にしています。
講師から「人間は批判され、査定され、制約されることで、そのパフォーマンスを向上するものではなく、支持され、勇気づけられ、自由を保障されることでオーバーアチーブ(予想以上の結果を収める)を果たすものである」という内田樹氏の言葉を紹介されましたが、今回の「元気なお寺づくり講座 in 真宗本廟」を通して、一緒にお寺づくりするということは、共に支え合う関係によって思いが形になるのだと教えられたようです。