コロナ禍の影響により寺院の置かれている現状から

 

東京教区教化委員会青少幼年部門では、40歳代までの僧侶を対象に、「青年学習会」を開催しています。今回(2020年9月17日)の青年学習会では、コロナ禍により寺院において様々な行事が中止や延期を余儀なくされる中で、仏法聴聞の新しいスタイルとして着目されはじめた法話のオンライン配信を同世代の仲間とともに聴聞し、寺院でどのようにオンラインで配信されている法話を活用していくことができるのか、またコロナ禍の中で各地域の寺院が直面している課題や、感じている思い・願いを語り合い、今後の寺院の教化の可能性を考えていく場として企画しました。

 

法話については、真宗教化センターしんらん交流館より配信されている以下の法話を拝聴させていただきました。

 

 

【「疫癘の『御文』について」 講師:武田 未来雄 氏(教学研究所 所員)】

 

 

【「不安と安心」 講師:名和 達宣 氏(教学研究所 所員)】

 

 

教区の枠を超えて

顔を合わせて実際に集まる研修会では、参加者は会場までの距離のこともあり、ほとんどが教区内の方ですが、オンライン会議システムを使用しての研修会であれば、会場までの距離の問題もなくなるので、他教区の同世代の方々にも参加いただき、各地域でのコロナ禍における教化活動の違いや悩みを共有し、教区の枠を超えて同世代の方々とも交流、意見交換ができるのではないだろうかという思いから、今回は、以前当部門の研修会で交流のあった高田教区の方々にも案内し、学習会を開催することとなりました。

 

 

 

2020 年度 第1回青年学習会「オンライン法話聴聞会」案内チラシはこちら

 

主 催 東京教区教化委員会 青少幼年部門 

期 日 2020 年9月17日(木)

会 場 Web 会議サービス「zoom」

内 容 オンライン法話聴聞・座談

対 象 40代までの僧侶

参加者 14名(スタッフ・事務局含む)

 

【日程】14:00 開会

14:10 オンライン配信法話聴聞

14:40 休憩

15:00 班別座談

16:30 班別発表(課題共有)

16:50 閉会

17:00 散会

 

 

 

青年学習会

学習会の様子(参加者は全員Zoomで参加しました)

 

 

 

座談会を行って

 法話拝聴後、「zoom」のブレイクアウトセッション機能を使用し、6人ずつに分かれて偈画面上での班別座談を行いました。

 班別座談では、以下の3点を中心に各々の思いを語り合いました。

 ①法話を拝聴しての自身の受け止めについて

 ②今回の企画内容やコロナ禍における教区、組、寺院での取り組みについて

 ③寺院に身をおく者としてコロナ禍において抱えている不安や課題について

 

 

[参加者の声]

 

 

  • コロナ禍の中で、「孤独」を抱える問題ということが気になる。

 

  • 東京と新潟で地域性の違いもあるが、新型コロナウイルスの影響による差別について考えている。

 

  • オンラインでの研修会は、地域の枠を超えて人とつながることができる。

 

  • オンラインで配信されている法話について、普段ライブで聞くことができない講師の法話を聴聞でき、また都合の良い時間に繰り返し聞くことができるので、法話の内容を自分の中で深められることができる。

 

  • オンラインで配信されている法話を一人で聞いていると、自分一人の受け止めとなってしまうので、今回のように集まってあらためて聞くことで、多くの方の受け止め方を共有することができた。

 

  • オンラインで配信されている法話の活用方法として、ネット環境を持たない方もおられると思うので、お寺の同朋の会でご門徒と配信されている法話を聴聞し、座談をするのも良いのではないかと感じた。

 

  • 新型コロナウイルスを縁として、今後の新たな教化活動の在り方に気づくことができた。

 

  • コロナ禍の影響により、お寺で抱える悩みを相談できる場があまりなかったが、今回のようにオンラインで研修をすることで、多くの方の意見を聞くことができ、悩みを共有することができた。

 

  • 今年は報恩講を法中にお越しいただいて例年どおりに勤めることができないので、お寺の合唱団の方に関わってもらい、音楽法要としてお勤めする準備をしている。

 

 

 

 

 

今後の展望について

 

オンラインで配信されている法話動画を十数名の方々と画面を共有して聴聞してみて、実際に法座に身を運んで感じる場の雰囲気には及びませんが、聴聞している場所は違っていても、同じ法座を共有している仲間がいるということを感じることができたのではないかと思います。今回は高田教区の方々と場を共有しましたが、今後は全国の同世代の方々と語り合えるような場を開いていきたいと考えています。

青少幼年部門では、時代の流れの中から問われてくる様々な課題について、今後も新たな取り組みに挑戦し続けていきます。

 

 (東京教務所)