真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業の5つの重点教化施策の一つとして、「真宗の仏事の回復」を進めています。これは朝夕のお勤めや報恩講をはじめ、通夜・葬儀・法事などのあらゆる仏事が、御本尊を中心とした仏法聴聞の場として回復していくための取り組みです。ここでは各教区の動きを紹介します。

 


大垣教区では、1987年、「真宗同朋会運動の再出発」を誓い、新たな取り組みを始めるにあたり、多くの方の願いを集約した『美濃のお内仏』という小冊子を発行しました。

 

以降、真宗門徒として「お内仏」のお荘厳、儀式作法をとおして、心の依り処である「ご本尊」を中心とした生活を回復する一助となることを願い、これまで以下の出版物を発行してきました。

 

 ①『勤行集(一)~(十)』(1998年発行) 大垣教区出版委員会   

 ②『改訂 美濃のお内仏』 (1987年発行) 大垣教区教化委員会    

 ③『お内仏のお荘厳』   (2009年発行) 大垣教区教化委員会

 

≪発行にあたって≫

①『勤行集(一)~(十)』

 勤行集一~十 扇状

浄土真宗において、正信偈・和讃が開版され、勤行式として制定されたのは、蓮如上人のご苦労によるものです。

 

以来、私たち真宗門徒は「お勤め」と言い習わし、親しんできましたが、「お勤め」に親しみ「聞法第一」を伝統としてきた真宗の宗風が、ややもすれば見失われそうな状況の中、蓮如上人五百回御遠忌を機縁に、勤行集を発行いたしました。

 

お内仏でのお勤め、お取越し報恩講、ご法事の際やお寺の報恩講での同朋唱和などに、手軽にお使いいただくことを通して、正信偈・和讃に親しんでいただくことを願いに、ご門徒の皆様にご活用いただくことを念頭に、法要ごとに分冊し、大きな文字で読みやすく、息継ぎなども分かるものといたしました。(年間平均頒布数:17,000部)

 

②『改訂 美濃のお内仏』

 

美濃のお内仏①

美濃のお内仏②

 

 

私たち真宗門徒の生活の中心である「お内仏」については、「おもい、うちにあれば、いろ、ほかにあらわるる」と、仏に帰依する心が外に現れた形であると蓮如上人は教えてくださっています。大垣教区では、正しいお内仏のお荘厳の仕方を知り、真宗門徒としてお内仏のお荘厳、儀式作法を通して、依り処である「ご本尊」を中心とした生活を回復する一助となることを願い、『改訂 美濃のお内仏』を発刊しました。(年間平均頒布数:500部) 

 

③『お内仏のお荘厳』

 

 

お内仏のお給仕①

お内仏のお荘厳②

 

 

正しくお内仏をお荘厳していくことは、私たち真宗門徒の大切なお給仕の一つですが、地域や親戚、家族間でのつながりの希薄化などにより、お荘厳やお給仕に困るご家庭が増えてきています。

 

大垣教区では、教区の出版物である『美濃のお内仏』を改訂するにあたり、合わせてお内仏のお荘厳が一目でわかるリーフレット『お内仏のお荘厳』を作成しました。

 

このリーフレットはA3サイズの三つ折で「平常」、「報恩講(お取越し)」「年忌法要」、「その他の法要(祥月・お盆)」、「葬儀・中陰」のお内仏のお荘厳をカラー写真で分かりやすく、また、お荘厳やお給仕に関して気をつけたい事柄などを写真付きで紹介しています。(年間平均頒布数:1,000部)

 

≪教務所より≫

 

宗門では、真宗門徒の聞法生活を象徴するお仏事の意義を確かめ、朝夕のお勤めや報恩講をはじめ、通夜・葬儀・法事などのあらゆる仏事を、ご本尊を中心とした仏法聴聞の場として回復していく取り組み「真宗の仏事の回復-念仏相続の場を継承する-」を重点教化施策の一つに掲げています。

 

かつては、家庭や地域の中で身についていた真宗の教えも、私たちを取り巻く生活環境の変化などに起因する寺離れや仏事の衰退により、次世代への相続が難しくなっています。

 

大垣教区では、このような状況の中において、改めてお内仏を前に集う方々が、同朋唱和でお勤めをすると共に、お内仏を通してご本尊と師主知識と私の繋がりを明らかにし、尊ぶべきこと、敬うべきことを我が身にいただいていくことを願い、「お内仏の荘厳」と「お勤め」に関する出版物を発行し、多くの方にご活用いただいてまいりました。特に、勤行集(一)~(十)については、教区内に留まらず、全国のご寺院・ご門徒の皆さんに活用いただいております。

 

今後も、これらの出版物をお届けし、多くの方々にとって「お内仏」を中心とした生活を回復する一助となることを念じております。

 

大垣教区出版物一覧

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