4月24日、桜の花が散り始める青空のもと、山形ビッグウィング(山形市)において、慶讃テーマ「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう」のもと、慶讃法要お待ち受け大会が開催されました。新型コロナの状況に鑑み、会場へは帰敬式受式者とスタッフ、引率者146名の参加に限定し、大会の様子は教区内寺院と門徒を対象にYouTubeにて配信されました。 


挨拶(木越渉宗務総長)

正信偈同朋唱和による勤行の後、木越渉宗務総長の挨拶がありました。ロシア連邦によるウクライナ侵攻によって尊い命が踏みにじられる事実に目を向け、『歎異抄』の「わがこころのよくて、ころさぬにはあらず」「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」(『真宗聖典』633・634頁)」との言葉を紹介し、「私たちのもっている業は深く危ういものである。真宗門徒はそのような事柄を確かめあうために膝を交えて共に聴聞する場を大切にしてきた。新型コロナによってその場が奪われてしまった現状にあって、聴聞の場を回復したいという願いが今日のお待ち受け大会として結実したと思う」と述べました。 


       帰敬式での誓いの言葉

続いて大谷暢裕門首挨拶の後、門首剃刀による帰敬式が執行され、90名が受式しました。山形教区は7月から教区改編によって新たに東北教区となることが予定されており、本大会での帰敬式は、山形教区として行われる最後の帰敬式となりました。帰敬式後、森孝司さん(第7組無量寺)による門徒感話がありました。森さんは、3年8か月というあまりに短い期間で別離することになった住職との日々を追想し「病の身をおして南無阿弥陀仏の教えを共に聞いていた住職は、最後に私たちは死すべき身を生きていることを身をもって教えてくださった。これからもあたたかな場であるお寺を皆で守り、聞法していきたい」と述べました。その後、一楽真氏(大谷大学学長)による記念講演が行われ、参加者全員で恩徳讃を唱和し、大会は終了しました。 


今大会では大会の様子が配信され、会場から距離がある地域の寺院やご門徒も大会に参加することができました。新たに発足する東北教区はさらに広域となります。また、雪国である山形は移動が困難で、冬季は対面での教化事業実施が難しい状況にあります。コロナ下で開催した今回の大会を機縁として、さまざまな形で教えを伝え、確かめあう「場の創造」に今後も取り組んでいきたいと感じた大会となりました。


(山形教区通信員 橘 幸子)