寺院活性化支援員を派遣して、お寺の現状や課題、要望をていねいにお聞きし、寺族と門徒と一緒に教化の取り組みを考える〝寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院教化支援”
 真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要をお迎えする2022年度までの4年間、慶讃事業の重点教化施策の1つである寺院活性化の取り組みを推進してまいります。
寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院教化支援では、真宗の教えとの出遇いの場、寺院が共同して聞法の場を開く取り組みが推進されることを願い、地域連続法話会の開催に対しての助成を行っています。

今回は今年度で第2期となる三重教区中勢2組 「地域連続法話会」2022年11月27日をレポートします。

※2022年11月27日、2023年4月22日(予定)、5月27日(予定)で開催。手書きのチラシがまたよい感じでございます。

2022年11月27日、旧安芸郡芸濃町へ。目的は正寶寺様を会所に行われる三ケ寺連続法話です。

芸濃ICを降り西へ。関から伊勢への街道沿いということもあるのか、雰囲気の良い街並みがありました。

街並みを抜けると江戸時代に作られたという大きなため池を横目に、安濃川沿いをさらに進むと今回の目的地である正寶寺様のある忍田という地区へ。

【正寶寺さまの外観と近くの景色】

坊守さんにご案内していただき本堂へ。本棚やソファが置いてあって、ゆったりと仏教書など自然とふれられる環境になっていました。「場」を整えるのも大事ですね。

【環境:三重県芸濃町忍田(おしだ)】

正寶寺さまの立地は、山の麓の里といった情景です。

山の裾野から安濃川の北岸にかけてある集落で、高低差のある集落内の高い位置にお寺はあります。

すぐ隣には高田派の寺院、西の端には臨済宗妙心寺派の寺院と、東西400m、南北200m位の中に三カ寺あり仏法を大切にされてきた地域だとわかります。

【河内渓谷の紅葉(こうちけいこく)】

しぶきをあげて石の間を、力強く流れる水ときらめく光が織りなす渓谷美。当日は、テレビ放送の後だったので、大渋滞が起きてました。(正寶寺さまから800m・徒歩10分 ※令和4年はライトアップあり)

【当日の流れ】

地域連続法話会の内容:「教えに親しみ、交流を深める」

講題:「いのちに願いあり」

日程:10:00 開 会 真宗宗歌斉唱 

           正寶寺住職あいさつ(会所住職あいさつ)

       お勤め 正信偈・同朋奉讃

       法 話 藤本 愛吉さん(正寶寺 住職)

   11:40 閉 会 恩徳讃

いちばん遠くは三重県亀山市街から車で来られていました。

法話前にご門徒の調声のもと、20名ほどの門徒さんと正信偈のお勤めです。

「今日はちょっと少なめですね。気候がいいので、行楽に出かけている方もいるのかな?河内渓谷も混んでいるようです。」と藤本住職。

【正信偈のお勤め】

少しの緊張感の中で、正信偈をお勤めしました。

【ご法話の始まり】

引き続き正寶寺住職 藤本愛吉師の御法話です。報恩講期間という事もあり、親鸞聖人の略歴から始まります。

「教えに遇うには、教えに生きている人に遇わねばならぬ」

「お釈迦様も言っとることが自分に深いことを言っとるのがわかる。

(中略)親鸞聖人はそれを法然さんから聞いて、法然さんはそれを善導さんから聞いて、善導さんはそれをお釈迦様や中国の先輩から聞いて、ず-っと伝統されて今このお寺に伝わったんです。

親鸞聖人は、これをイナカの人々に平仮名手紙を出して、『これですよ、これを大事にして下さいね』と伝えたんです。」

 藤本愛吉さんは、受け取った教えを時事ネタも交えながらご自身の言葉で伝えてくださいました。

また、一人一人の名前を呼んでその人に語りかけていくことで全員に法話をされているようで、参加されている方、一人ひとりに向けて語りかけているようでした。普段の住職と門徒さんのお付き合いの濃さ(関係性の深さ)が見えてくるようでした。

 大きな規模の空間ではなかなか実現し得ない、ちょうどよい空間で、御伝鈔の『仏法弘通の本懐、ここに成就し 衆生利益の宿念たちまちに満足す』という言葉が思い浮かぶような法座でした。

 【ご法話の後で】

法話の後、ご門徒さんとお話させていただきました。所属するお寺、地域のお寺の活動はもちろんのですが、教区、組のあり方まで考えてくださっている方もおられました。

一ヶ寺一ヶ寺はもちろんですが、組、教区、宗派、それぞれのところで社会環境の変っていくことに伴う変化・が求められているのだと改めて感じる時間でした。

過疎・過密地域寺院教化支援 助成について

 2023年に宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年の慶讃法要がお勤められます。慶讃法要をお迎えする2022年度までの4年間、教化の現場の“声”に応え、2つの教化事業への助成を行います。助成を希望されます場合は下記の申請書にご記入のうえ、各教務所にご提出ください。事前のご相談、お問い合わせは、寺院活性化支援室過疎・過密地域寺院教化支援(企画調整局)までご連絡ください。

「離郷門徒のつどい・ふるさと法要」「地域連続法話会」の開催に助成をしています。詳しくはこちらをご覧ください。https://jodo-shinshu.info/kaso-kamitsu/

小さな聞法の場を数多くつくっていきましょう!!