法語に込めた思い

 

 令和6年能登半島地震をうけて、もともと本堂内に掛けていた言葉を掲示板に貼り直しました。この言葉は、災害や病気などから逃れられない現実という意味があります。さらにもう一つの意味として、実はどこにいても命は見えないところで支えられているということが「逃げ場なしの身」に込められているように思います。

出典:浅田正作『念仏詩集 続 骨道を行く』(法蔵館)

掲示板に込めた思い

 善念寺に入ると、数々の法語が所狭しと貼られている。月に一度を目安に掲示板の言葉を更新しているが、せっかくの言葉が消えていくのが惜しいという思いから、本堂内に再度貼り出すようになったそうだ。

 本から選んだ先師の言葉だけでなく、独りよがりにならないように注意しながら考えたオリジナルの言葉も掲示している。

 「このように書いた言葉を残していると、ふと目に入った時、自分自身が問いかけられていると感じます。最近聞いた法話の講題が〝まことの言葉に出遇う〟でしたが、まことの言葉は時も場所も選ばずに常に響き渡っていると思います。自分に響いた言葉はお伝えしていきたいです」と安部住職は語る。

 

(金沢教区通信員 藤 光弘)


『同朋新聞』2024年8月号「お寺の掲示板」より

ご紹介したお寺:金沢教区 第4上組 善念寺(住職 安部 渉)

※役職等は『同朋新聞』掲載時のまま記載しています。