【報告】九州教研久留米分室訪問・各教区教学研鑚機関交流会

 教学研究所では、各教区研鑚機関と相互の理解や課題を共有するため、各地に赴いて意見交換するとともに、定期的に全国交流会を開催してきた。ここでは、今年三月に実施した九州教学研究所久留米分室への訪問と、五月に開催した交流会の報告を行う。

 さる三月二十五日に、九州教研久留米分室を訪問し、定例月例会に参加する機会を得た。会場に入ると、参加者を迎え入れようとする場の雰囲気づくりが随所に感じられた。これまで教区や組が九州教研を支え、場を築きつないできた伝統があってこそだろう。

 お勤めの後、発表が始まる。その日は、『教行信証』「証巻」に関する内容であった。御聖教に誠実に向き合う発表は、その後の座談にも刺激を与え、「証巻」の課題や、生活との関わり等が話し合われた。

 五月二十二日から二十三日には「現代における教学の課題」というテーマのもと、「第十二回 各教区教学研鑚機関交流会」を開催した。

 一日目は、各機関における現状と課題(特に教区改編後の状況)について、九州教研久留米分室の菊池晃主事と、新潟教区の富樫大樹副主幹から報告がなされた。報告後は、教学研鑚機関を設置して間もない教区から、どのようにして人が集まる場を開いているか等の質問があった。それを契機に、多くの教区から現状報告がなされ、充実した対話の場となった。

菊池晃主事の活動報告の様子

 二日目には、宮下晴輝教学研究所長による「是旃陀羅問題について」と題した講義の後、講義内容をめぐっての質疑応答や各教区における「是旃陀羅」問題の取り組み等に関する協議を行った。その場では、各教区間における情報共有や連携を求める声があがった。また近年、全国交流会は三年おきに開催してきたが、一年おきの開催を希望する声も寄せられた。これらについては、今後、話し合う場を重ねながら十分に検討していきたい。

 このたびの九州教研久留米分室への訪問や全国交流会を通して、各自が責任をもって研鑚に励み、様々な地で共に悩み学ぶ場が開かれていることを実感した。

(教学研究所研究員・三池大地)


([教研だより(218)]『真宗』2024年9月号より)