法語に込めた思い

 

 今回この言葉を考えたのは「私が正しいと思うこと」を家族や友人に突き付けた時、それによって相手を追い詰めたり、傷つけてしまったという経験があったからです。世界で起こっている戦争はまさに、そこに根っこがあるのでしょう。掲示板をとおしてたくさんの人に見てもらっていますが、私自身に向けた戒めの言葉なのかもしれません。

掲示板に込めた思い

 掲示板に載せる言葉は、佐々木住職ご自身が日々の生活の中で感じたことを載せることが多いという。そしてその言葉の横にはいつも挿絵が添えられている。
 30年ほど前にご縁のあったお寺での法務の傍ら、版画家のもとでアシスタントをしていた佐々木住職。2020年、札幌別院の機関紙に挿れる七高僧の絵の制作依頼があったことをきっかけに、本格的に作画に取り組み始めた。「掲示板は挿絵の有無で通行人が立ち止まってくれる割合が全然違いますよ。絵はいろいろな垣根を越えますからね」と笑顔で話してくれた。今ではお寺の中にあるアトリエで、主に仏教画の制作に取り組んでおり、年に数回、お寺を中心に絵画展も開いている。「仏法を少しでも多くの方々に広める手段の一つとして絵画に行きついた。絵とともに仏教を広めていきたい」と「仏教画家」としてこの活動に精力的に取り組んでいる。
 作画活動をとおして「お坊さんアーティスト」と知り合うことがあるという。佐々木住職の現在の夢は彼らと年に一度の展覧会「僧侶アートプロジェクト」を開催することだと語ってくれた。他宗派の方々も含むアートのつながりが、今後の掲示板活動のさらなる発展になるのだろう。

(北海道教区通信員 矢田 真之)


『同朋新聞』2024年10月号「お寺の掲示板」より

ご紹介したお寺:北海道教区 第4組 栄光寺(住職 佐々木 強)

※役職等は『同朋新聞』掲載時のまま記載しています。