法語に込めた思い
光臨寺が所属している高松市仏教会は、お寺へあがる「おそなえ」を仏さまからの「おさがり」として、経済的に困窮したご家庭に「おすそわけ」をする「おてらおやつクラブ」という活動に参加しています。今回の法語はその活動をとおし、持ち寄ることの大切さや奪い合うことの愚かさを伝えたいと思い、この言葉を選びました。
掲示板に込めた思い
光臨寺の伝道掲示板は住職の知史さんと坊守の京子さんが筆を執られている。法語は毎月起筆されており、お二人で相談しながら決められるそうだ。
掲示板は山門の前に設置されており、車や人の通行が多い道路に面している。さらに、近くには学校があるため、幼い子どもから大人まで幅広い年齢の方が目にされる。
お寺のある高松市太田地区は、名前のとおり田畑が多く農業の盛んな地域だったが、近年急激に田畑が減り、新たに多くの住宅が建設され、現在ではお寺の周辺でもまったくお寺との接点を持たない方がほとんどだという。
「お寺と接点のない方にも関心を持ってもらえるよう、掲示する言葉は仏教語にこだわりすぎず、時事問題や自分の心に引っかかったことから選びます。また、車内からでも読めるような文字数にまとめることを意識しています。掲示板を縁に、幅広い年齢の方にお寺の存在を伝えられたらうれしいです」と語る知史さん。
これからもお二人が書かれる掲示板は多くの方へお寺からの発信源となり、新たな言葉や思いと出会う場となることだろう。
(四国教区通信員 河野 有信)
『同朋新聞』2025年1月号「お寺の掲示板」より
ご紹介したお寺:四国教区 東讃組 光臨寺(住職 佐長 知史)
※役職等は『同朋新聞』掲載時のまま記載しています。