真宗大谷派は、かつて仏法の名のもとに、多くの青年たちを戦場へと送り出したという戦争への加担の歴史を有しています。その懺悔の思念のもと、真宗大谷派では戦争責任の問題を真正面から受け止め、毎年4月に「全戦没者追弔法会」を勤め、また、宗議会・参議会による「不戦決議」(1995年)、「非戦決議」(2015年2022年)という非戦の誓いを表明しています。

 来る4月2日、真宗本廟(東本願寺)において、「全戦没者追弔法会」が勤まります。
 本年の法要もインターネットにてライブ配信を行います。ぜひご覧ください。

■表白・開催趣旨文
 「全戦没者追弔法会」は、戦争でいのちを奪われた方々を憶念し、仏が願われた兵戈無用(仏説無量寿経)の教えから私たちの今を問い直す法要です。
 今年のテーマは「念仏者の平和運動―戦争の抑止とは何か―」です。
表白【PDF】
開催趣旨文【PDF】

■日程
9時30分~   全戦没者追弔法会【御影堂】⇒「真宗大谷派東本願寺【公式】YouTubeチャンネル
        開会の挨拶(木越 渉 宗務総長)
        追弔の偈朗読
         朗読者:原田 小鈴氏(長崎大学非常勤講師)
10時00分~   法要 門首表白【御影堂】
11時20分~   記念講演 【御影堂】
         講師:ダニー・ネフセタイ氏(木製家具作家・元イスラエル軍兵士)
         講題:武力で戦争は防げるの?~気づき 戦争と人権~
12時20分    閉会の挨拶(西受 秀文 解放運動推進本部長)

■追弔の偈(うた)
毎年、この法要の願いを詩で表現された『追弔の偈』(作:高 史明)の朗読を行います。
・『追弔の偈』【PDF】

ダニー・ネフセタイ氏

■メッセージ
 私は1957年にイスラエルで生まれ、教育を受け、高校卒業後はイスラエル空軍で3年間兵役を務めました。
 1980年代初頭に来日して、憲法9条を知り、日本とイスラエルの国防の意識の差に驚き、2008年のガザ爆撃でパレスチナの子ども345人が殺されたことで、イスラエル空軍の残虐性を許せなくなりました。 国防のために隣人の子どもまでも大量虐殺する事の罪はどんな理由であれ、許容できません。
 それ以来、私は発信を続けています。
 今、日本では防衛費増大が私たちの生活を圧迫していますが、武力で戦争は本当に防げるのでしょうか。
原田 小鈴氏

■メッセージ
 私は広島・長崎で二重被爆した祖父、山口 彊(つとむ)(1916~2010)の被爆体験や非核平和の願いを紙芝居や当時の映像を用いて、次世代に語り継ぐ活動をしています。
 2025年で被爆80年を迎えます。世界各地では紛争が絶えず、核がいつ使われるか分からないという危機に直面しています。今を生きている私たちは、改めて80年前に何が起きたのかを知り、被爆体験の苦しみや非核平和の願いを受け止めることが大切だと思います。
 平和への歩みを共に考え、つないでいきましょう。

■関連行事①「講演会」

日 時:2025年4月2日(水)14時~15時 ※入退場自由、無料
会 場:しんらん交流館2階大谷ホール
講 師:原田 小鈴氏(長崎大学非常勤講師)
講 題:「被爆 80 年 いま私たちが伝える~世代を超えて語り継がれる原爆・平和~」

■関連行事②「対談」

日 時:2025年4月2日(水)15時~15時30分 ※入退場自由、無料
会 場:しんらん交流館2階大谷ホール
講 師:ダニー・ネフセタイ氏 / 原田 小鈴氏 
進 行:梶 哲也氏(教学研究所助手)


■関連行事③「非戦・平和展」

展示期間:2025年3月27日午後~5月7日午前
観覧時間:9時~16時
会  場:参拝接待所ギャラリー1階
展示内容:これまでの非戦・平和展の展示パネルから抜粋し、真宗大谷派における戦争協力の罪責の検証と非戦・平和に対する活動を確認、紹介するとともに非戦・平和展の歩みを振り返ります。